コラム
SBフレームワークス株式会社 > コラム > 物流のコラム > 流通加工とは?種類や作業例、梱包との違いを解説

流通加工とは?種類や作業例、梱包との違いを解説

物流
更新日:
投稿日:
  • fabebook
  • hatena bookmark
  • x
  • line
流通加工とは?種類や作業例、梱包との違いを解説

監修者プロフィール

玉橋丈児

SBフレームワークス マーケティング/広報

玉橋 丈児

物流×輸配送×テクニカルソリューションで、お客様の課題解決を目指すSBフレームワークスのマーケティング担当。テクニカルソリューション分野での実務経験を活かして、弊社のサービスや、業界の話題などを解説いたします。物流技術管理士補。

流通加工は、商品価値に影響を与える重要なプロセスです。流通加工を行い商品の付加価値を高めることで、売上アップやブランドイメージの向上が期待できます。

自社で流通加工を行う際は、作業ができるだけの十分な設備や人材を揃える必要があります。

本記事では、流通加工の種類や作業例を解説します。

自社の物流管理でお悩みの場合は、SBフレームワークスへご相談ください。流通加工だけではなく、商品の入荷・保管・梱包作業・エンドユーザーへの配送まで一括して行う、物流代行サービスを提供しております。

物流業務をアウトソースすることで、営業や商品開発などのコア業務へ集中することができるため、業務の選択と集中が実現します。流通加工のメニューも多数ご用意しておりますので、ご要望に合わせた柔軟な作業が可能です。

\豊富な流通加工メニューでビジネスをサポート/

流通加工とは

流通加工とは、流通過程において行う加工のことです。具体的には、商品の裁断や包装、値札付けなど、商品を製造してから消費者に届くまでに施す作業を指します。

流通加工は、生産工場のみならず物流倉庫や物流センター、店舗でも行われます。拠点によってできる加工作業は異なり、難易度が軽度な作業から専門的な技術が求められる作業までさまざまです。

そのため、加工内容や作業の難易度にあった設備と人材が必要になります。

物流において流通加工を行う目的

物流における流通加工には、主に以下の2つの目的があります。

  • 商品の付加価値を向上させるため
  • 商品の信頼性を高めるため

それぞれ詳しく解説します。

なお、ここでの流通加工とは、販促加工のことです。販促加工については、のちほど詳しく解説します。

商品の付加価値を向上させるため

物流において流通加工を行う大きな目的は、商品の付加価値を向上させることです。

商品を実際に手に取ってもらい購入へとつなげるには、顧客に「購入する価値がある」と思ってもらう必要があります。そのためには、商品を顧客ニーズに合った見た目や内容にすることが重要です。

たとえば、ギフト需要がある商品には華やかな包装をする、同時に購入される可能性が高い商品はセットで売るなどの方法があります。

流通加工では、こうした顧客ニーズに応じて商品を加工し、商品の付加価値を向上させます。製造されたときよりも商品の魅力が向上すれば、顧客に購入してもらえる可能性が高まるでしょう。

また、競合商品との差別化が図れることから、ブランドイメージの向上も期待できます。

商品の信頼性を高めるため

物流において流通加工を行うことには、商品の信頼性を高める目的もあります。

商品を販売して安定的な収益を得るには、顧客に商品を継続購入してもらう必要があります。そのためには、商品の品質を向上させ信頼性を高めることが重要です。

流通加工では、商品の不良を確認しながら加工を行うため、品質水準の低下を防げます。顧客の商品に対する信頼度が高まることで、リピーターの獲得が見込めます

流通加工には「生産加工」と「販促加工」の2種類がある

流通加工には「生産加工」と「販促加工」の2種類がある

流通加工は、どの段階で行うかによって以下の2種類にわかれます。

種類概要
生産加工製造段階において施す加工
販促加工販売の準備段階で行う加工

生産加工は、基本的に製造工場の生産ラインなど、商品の製造段階で行われます。商品の品質や機能性・利便性を確保するための重要なプロセスです。

販促加工は、商品製造後の販売の準備段階で行われます。主に物流センターや倉庫、店舗などで作業をします。商品の付加価値を高め、販売を促進するために欠かせない作業です。

いずれも加工にミスがあった場合は、商品価値を損なってしまうため、正確な作業が求められます。

流通加工の作業例【生産加工の場合】

流通加工の作業例【生産加工の場合】

生産加工に含まれる作業には、以下などがあります。

  • カッティング
  • プレス
  • 丁合(ちょうあい)
  • アセンブリ

それぞれの作業の内容を具体例とあわせて解説します。

カッティング

カッティングとは、商品を指定の大きさや形状に切り分ける作業です。たとえば、以下のような作業がカッティングに該当します。

  • 鉄鋼などの金属の板を切断する
  • 肉や野菜をスライサーなどで切る
  • 木材やガラスを切り分ける
  • 布や紙などの繊維を裁断する

カッティングには、商品を用途に適した大きさや形状にすることで、顧客が購入した後に使いやすくする狙いがあります。

プレス

プレスとは、衣服のシワをアイロンなどで伸ばす作業です。主にアパレル商品の生産加工で行われます。アパレル商品では、シワの有無が商品価値に影響するため、プレスは必須の作業です。

丁合(ちょうあい)

丁合とは、複数枚の書類をページ順に揃えることです。書籍や雑誌、説明書の製本などの作業が挙げられます。

基本的に機械を使用して作業をしますが、機械で扱えない紙質やサイズの場合は、手作業で行わなければなりません。

丁合は印刷会社や出版会社で印刷と同時に行われるケースが多いものの、物流倉庫でもチラシやカタログを同封する際に行うことがあります。

アセンブリ

アセンブリとは、箱や部品を組み立てて完成品にする作業です。具体的には、以下のような作業を指します。

  • 段ボールや紙箱の組み立て
  • ボルト締め
  • 電子部品のはんだ付け
  • 家具の組み立て

アセンブリを行い、顧客が商品を組み立てる手間を省くことで、購買意欲の向上が期待できます

流通加工の作業例【販促加工の場合】

流通加工の作業例【販促加工の場合】

販促加工には、以下などの作業が該当します。

  • ラベリング
  • アソート
  • バンドル
  • シュリンク
  • 包装

それぞれの作業の内容と例を解説します。

ラベリング

ラベリングとは、商品へのタグ付けやラベル貼りなどの作業です。たとえば、以下のような作業がラベリングに含まれます。

  • 成分表や賞味期限表示のラベル貼り
  • 値札付け
  • バーコードタグの取り付け
  • 製品番号や型番を記載したタグの貼り付け
  • POPタグの取り付け
  • 検品・検針済のマークの貼り付け
  • 輸入商品への日本語ラベルの貼り替え

ラベリングの作業内容や方法は、取り扱う商品によって異なります。また、ラベリングマシンを使う場合もあれば、手作業で行うこともあります。

ラベリングは、顧客に商品情報を正しく伝えるための重要な作業です。商品情報を詳細に記載することで、顧客は商品の特性や使用方法を理解でき、安心して商品を購入・使用できるようになります。

また、製造番号や型番が把握しやすくなり、商品管理・販売・サポートなどの各場面において作業性が向上します。。

アソート

アソートとは、複数の品を詰め合わせて一つの商品にする作業です。個包装のお菓子を箱に詰める作業が代表例です。また、お中元やお歳暮などの詰め合わせ商品を箱詰めするのもアソート作業に該当します。

手作業で行うケースが多く、指定の量・種類を正確に、かつ見た目の良さも考慮しながら詰める必要があります

バンドル

バンドルとは、複数の異なる商品をまとめてセット商品にする作業です。たとえば、商品Aと商品Bをセットにする、商品Aに試供品や冊子を付け加えるなどの作業が挙げられます。

バンドルは、顧客単価の向上にも有効な加工方法です。たとえば、オプション機能を有する商品と組み合わせることで、顧客への提供価値を高めると同時に販売単価のアップが期待できます。

シュリンク

シュリンクとは、商品を専用のフィルムで覆い、熱を加えて密封包装する作業です。以下のような作業がシュリンクに該当します。

  • ペットボトルのラベル貼り
  • CDや日用品のフィルム包装
  • 雑誌や漫画本のフィルム包装

シュリンクを行う目的は、商品の表面をフィルムで保護し、傷や汚れの付着を防ぐことです。加えて、フィルムにより外装にツヤが出るため、見栄えが良くなる効果もあります。

また、複数個ある商品を固定できるため、まとめ売り商品やセット商品の包装にも用いられています。

包装

包装とは、商品を包装紙などで包む作業です。ギフト需要のある商品などに対して行うことが多く、リボンやシールの装飾まで作業に含まれます。

包装には、商品のデザイン性向上だけでなく、商品そのものを保護する役割もあります。書店などで行われる書籍へのブックカバーの取り付けも、包装作業の一つです。

流通加工と梱包の違い

流通加工と梱包の違いは、作業の目的です。

流通加工梱包
目的商品の付加価値の向上商品の保護、配送の効率化
作業例カッティング、アセンブリ、ラベリングなどダンボール梱包、パレット梱包など

流通加工は、主に商品の付加価値を高めるために行われます。

それに対し梱包は、商品に外からの衝撃が直接伝わることを防ぎ、破損リスクを低減するのが目的です。たとえば、商品を気泡緩衝材や発泡スチロールで包み、段ボールに詰める作業が挙げられます。

また、配送する際に商品を取り扱いやすくすることも梱包の目的です。企業によっては、流通加工の一環として梱包を行うこともあります。

流通加工の課題

物流に欠かせない流通加工ですが、自社で行うには以下の課題があります。

  • 多くの人的リソースを割く必要がある
  • 設備や作業のためのスペースを確保する必要がある
  • 作業の難易度・複雑さに応じて多額のコストがかかる

それぞれの課題について詳しく解説します。

多くの人的リソースを割く必要がある

流通加工では、多くの人的リソースを割く必要があります。流通加工には機械化できない作業や細かい作業が多く、それらの作業をこなすためには人の手が欠かせません。

また、問題発生時に柔軟な対応ができるよう、作業者には専門的な知識やノウハウが求められます。商品の需要が高まる繁忙期にはより多くの人的リソースが必要となり、コア業務のリソースを圧迫しかねません。

限られた人的リソースで流通加工を行うためには、作業を効率化させることが重要です。

設備や作業のためのスペースを確保する必要がある

流通加工を行う際は、必要な設備の設置や作業を行うためのスペース確保が必要です。作業内容によっては届出や認可が必要だったり、一定の室温や湿度に保つ必要があったりと、作業環境を所定の条件に整えなければならないこともあります。

作業環境が十分に整っていないまま流通加工を行うと、商品の破損や事故などのトラブルを引き起こす恐れがあります。

そのため、自社で流通加工を行う際は、必要な設備の種類やサイズ、資材量を把握したうえで、作業に十分なスペースを確保できるかを確認することが重要です。

作業の難易度・複雑さに応じて多額のコストがかかる場合がある

流通加工を行う際には、多額のコストがかかる場合があります。作業環境を整えるためには、作業内容に合わせた設備や人材を揃える必要があるからです。

たとえば、カッティングやプレスなどの生産加工を行う場合は、専用の機器や設備が不可欠です。一方、ラベリングやシュリンクなどの販促加工では、器具や作業台を揃える程度で済むこともあります。

このように、作業の規模や難易度、複雑さに応じて設備費用の負担度合いが変わります。自社で流通加工を行う際は、財務状況を確認したうえで流通加工を実現できるかどうかを慎重に判断することが大切です。

資金に余裕がなく設備費や人件費の捻出が難しい場合は、流通加工を専門の業者にアウトソーシングすることも検討しましょう。

流通加工をアウトソーシングするメリット

流通加工をアウトソーシングすれば、以下のようなメリットが得られます。

  • 自社のリソースを有効活用できる
  • 作業品質が安定する
  • 設備や人材育成にかかるコストを削減できる

それぞれのメリットについて詳しく解説します。

自社のリソースを有効活用できる

流通加工をアウトソーシングするメリットは、自社のリソースを有効活用できることです。流通加工を専門の業者に代行してもらえば、人材や設備、作業時間を確保する必要がないため、リソースに余裕が生まれます。

浮いた分のリソースでマーケティングや商品開発などのコア業務に注力できるようになることで、事業の拡大や売上アップが見込めます

作業品質が安定する

作業品質が安定することも、流通加工をアウトソーシングするメリットです。

流通加工の作業には、専門的な技術を必要とするものが多く、自社で対応しようとすると作業品質にバラつきが出やすくなります。

しかし、流通加工の経験やノウハウが豊富なプロに代行してもらえば、自社で行うよりもミスが少なく、安定した作業品質の確保が可能です。繁忙期・閑散期による物量変動や新商品の販売時にも柔軟に対応できるため、常に高品質の商品を顧客に届けられます

設備や人材育成にかかるコストを削減できる

流通加工をアウトソーシングすれば、設備導入や人材育成にかかる初期費用を抑えられます。

自社で流通加工を行う場合、取り扱う商品に応じて設備を揃えなければなりません。しかし、流通加工をアウトソーシングすれば、自社で設備を準備する必要がなくなるため、設備費を削減できます。

また、新たに人材を確保する必要もなくなるため、採用や教育にかかるコストも削減できます。

なお、流通加工のアウトソーシングサービスの多くは、出荷量に応じて料金が変動する従量課金制です。かかった分だけ料金を支払えばよいため、固定費を抑えられます

流通加工をアウトソーシングして商品価値の向上を図ろう

流通加工を行い商品の付加価値が向上することで、より多くの顧客に商品を購入してもらえる可能性が高まります。競合商品との差別化も可能になることから、ブランドイメージの向上も見込めます。

ただし、自社で流通加工を行うためには設備や人材を用意しなければならず、作業の規模・難易度・複雑さによってはコストがかさみ、経営を圧迫しかねません。

設備や人材確保にかかるコストを抑えるために、アウトソーシングサービスの利用も検討し商品価値の向上を図りましょう。

設備費や人件費を抑えるために、流通加工をアウトソーシングしたいとお考えの場合は、SBフレームワークスへご相談ください。多数の流通加工メニューから最適なオプション作業をお選びいただけます。小ロットや繁忙期だけのスポット利用もできますので、お気軽にお問い合わせください。

\豊富な流通加工メニューでビジネスをサポート/

監修者プロフィール

玉橋丈児

SBフレームワークス マーケティング/広報

玉橋 丈児

物流×輸配送×テクニカルソリューションで、お客様の課題解決を目指すSBフレームワークスのマーケティング担当。テクニカルソリューション分野での実務経験を活かして、弊社のサービスや、業界の話題などを解説いたします。物流技術管理士補。

関連記事

まずはお気軽にご相談ください

サービスの詳細について資料をご用意しております。社内での検討などにご活用ください。

サービスの詳細や料金へのご質問、商談のお申し込みや、お見積りのご相談は、こちらよりお問い合わせください。