スタッカークレーンとは?種類や操作に必要な資格、法令点検を解説
監修者プロフィール

SBフレームワークス マーケティング/広報
玉橋 丈児
物流×輸配送×テクニカルソリューションで、お客様の課題解決を目指すSBフレームワークスのマーケティング担当。テクニカルソリューション分野での実務経験を活かして、弊社のサービスや、業界の話題などを解説いたします。物流技術管理士補。
スタッカークレーンとは、自動倉庫でラック間を走行して荷物の入出庫を行う搬送設備です。運転に必要な資格は、運転方式や吊り上げ荷重によって異なり、導入後は法令にもとづく点検も必要です。
近年、物流業界では深刻な人手不足を背景に、物流DX(デジタルトランスフォーメーション)による現場の自動化・省人化が急務となっています。その有力な解決策の一つとして注目されているのが、倉庫業務の自動化に貢献するスタッカークレーンです。
本記事では、スタッカークレーンの種類や操作に必要な資格などについて解説します。
倉庫業務の課題を抱えている場合は、SBフレームワークスにご相談ください。弊社では、入荷から保管、配送までの物流業務をワンストップで代行するサービスを提供しています。30年以上にわたりソフトバンクグループの物流網を支えてきた豊富な知見を活かし、自社の課題を解決する最適なプランを提案いたします。
\年間400万箱以上の出荷実績にもとづき提案/
目次
スタッカークレーンとは

スタッカークレーンとは、倉庫内の荷物を保管するラック(棚)間を走行し、荷物の入出庫を行うクレーン装置です。床上に設置されたレールに沿って前後に走行する形式が一般的ですが、設備によっては天井にレールを設置することもあります。
また、直立に設置されたマスト(支柱)には荷台が付いており、マストに沿って荷台が垂直移動するため、高所にあるラックへの荷物の出し入れも可能です。取り扱う荷姿はパレットやケース入りの荷物が一般的です。
スタッカークレーンには、手動で操作するタイプとシステム連携によって自動で稼働するタイプがあります。倉庫内の作業の一部またはすべての自動化を実現する自動倉庫の中核を担う設備として、近年では物流倉庫への導入が進んでいます。
スタッカークレーンの種類

スタッカークレーンは、作業員が乗り込んで操作するか、荷物だけを搬送するかで大きく以下の2種類に分かれます。
- 人荷昇降式
- 荷昇降式
運用や安全管理(教育・点検方法)も変わるので、目的に応じて適切な方式を選定することが重要です。
人荷昇降式
人荷昇降式とは、作業員と荷物を一緒に昇降するタイプのスタッカークレーンです。運転席が設けられており、作業員が乗車してクレーンを操作します。人荷昇降式は、構造の違いにより以下の3種類に分類されます。
| 種類 | 概要 |
| 天井クレーン型 | 天井に設置されたレールに沿って走行するタイプ |
| 床上型 | 床に設置されたレールを走行するタイプ |
| 懸垂型 | ラックの上部に設置された走行レールから懸垂して走行するタイプ |
レールの支持位置(床上・上部)によって、必要な強度や施工条件が変わります。天井にレールを支える強度があるか、床にレールを敷くための水平さが確保されているかなど、倉庫内の環境に合わせて最適なものを選択しましょう。
荷昇降式
荷昇降式は、荷物のみが昇降するタイプのスタッカークレーンです。一般的に自動倉庫で採用されています。
荷昇降式のスタッカークレーンの中には、システムの制御によって全自動で稼働するタイプもあり、入出庫作業の自動化や24時間の稼働が可能です。
人荷昇降式と同様に、荷昇降式も天井クレーン型、床上型、懸垂型の3種類に分かれます。
スタッカークレーンの操作に必要な資格

スタッカークレーンの操作には、吊り上げ荷重に応じて以下の資格が必要になります。
| 吊り上げ荷重 | 資格 |
| 5トン未満 | なし(特別教育を受ける必要がある) |
| 5トン以上 | クレーン・デリック運転士免許 |
クレーン等安全規則により、吊り上げ荷重が5トン以上のスタッカークレーンを操作する場合は、クレーン・デリック運転士免許が必要です(※1)。クレーン・デリック運転士免許は国家資格で、学科試験と実技試験の両方に合格すると取得できます。
全自動で運転するタイプのスタッカークレーンをシステムで操作する場合は、吊り上げ荷重にかかわらず資格の取得は不要です(※2)。ただし、保守や点検の際にスタッカークレーンを手動で動かす際には、資格が必要になります。
※1 参考:デジタル庁「クレーン等安全規則」
※2 参考:一般社団法人日本クレーン協会「新人のためのクレーン等作業の資格」
スタッカークレーンの操作に必要な特別教育

吊り上げ荷重が5トン未満のスタッカークレーンを操作する従業員に対し、事業者は学科教育と実技教育からなる特別教育を実施(または受講)させる必要があります。社内で実施する場合も、教育内容・実施記録の整備まで含めて運用しましょう。
| 学科教育の科目 | 実施時間 |
| クレーンに関する知識 | 3時間 |
| 原動機および電気に関する知識 | 3時間 |
| クレーンの運転のために必要な力学に関する知識 | 2時間 |
| クレーンに関わる関係法令 | 1時間 |
| 実技教育の科目 | 実施時間 |
| クレーンの運転 | 3時間 |
| クレーンの運転のための合図 | 1時間 |
特別教育は、クレーンの運転業務にかかわる十分な知識や経験をもった従業員を講師にすることで、自社で実施できます。自社での実施が困難な場合は、一般社団法人日本クレーン協会などが主催する外部講習会を利用しましょう。
参考:一般社団法人日本クレーン協会「クレーン取扱い業務等特別教育規程」
スタッカークレーンの法令点検

クレーン等安全規則により、スタッカークレーンの導入後は1年以内に1回の頻度で自主検査をすることが義務付けられています。また、以下の項目に関しては、1ヶ月以内に1回の頻度で自主検査を実施しなければなりません。
- 安全装置や警報装置
- ブレーキおよびクラッチの異常の有無
- チェーンやフックなど、クレーンで吊るための部品の損傷の有無
- 配線、配電盤、コントローラーの異常の有無
加えて、作業開始前の点検や、暴風・地震後に作業を行う前の点検が必要になる場合もあるため、運用フローに組み込みましょう。
また、事業者は定期自主検査の結果を記録して3年間保存する必要があります。
参考:デジタル庁「クレーン等安全規則」
スタッカークレーンを導入するメリット

スタッカークレーンを導入するメリットとして、以下の2つが挙げられます。
- 入出庫作業の自動化・省人化を実現できる
- 倉庫の保管効率が向上する
それぞれの内容を解説します。
入出庫作業の自動化・省人化を実現できる
スタッカークレーンを導入するメリットは、入出庫作業の自動化・省人化が実現できることです。スタッカークレーンと在庫管理システム(WMS)を連携させることで、指示データにもとづいた正確な自動搬送が可能です。
また、スタッカークレーンは24時間一定の速度で稼働し続けられるため、限られた人員で高い処理能力を維持したまま効率良く倉庫を運営できるようになります。
倉庫の保管効率が向上する
倉庫の保管効率が向上することも、スタッカークレーンを導入するメリットです。人手による搬送では困難な高所へ荷物を運べるため、天井近くまで空間を活用して荷物を保管できます。
また、荷昇降式であれば、ラック間に作業員が通る通路を設ける必要がありません。運用設計次第では作業通路を最小化できるため、同一面積あたりの保管量(保管密度)を高められる可能性があります。
スタッカークレーンを導入して倉庫業務の生産性を向上させよう
スタッカークレーンは、在庫管理システムと連携させることで無人搬送が可能となり、入出庫作業の自動化・省人化を図れます。また、天井近くの高所にあるラックへスムーズに荷物を運べるため、倉庫空間を最大限に有効活用できます。
自社の倉庫の環境に合ったスタッカークレーンを導入して、倉庫業務の生産性を向上させましょう。
自社の倉庫業務についてお悩みの場合は、SBフレームワークスにご相談ください。弊社独自の物流管理システムを利用した倉庫を活用して、お客様の物流運用をサポートいたします。長期滞留在庫の可視化や返品された商品の傾向分析などにより、お客様の倉庫業務の課題解決に向けた提案も可能です。まずはお気軽にお問い合わせください。
\年間400万箱以上の出荷実績にもとづき提案/
監修者プロフィール

SBフレームワークス マーケティング/広報
玉橋 丈児
物流×輸配送×テクニカルソリューションで、お客様の課題解決を目指すSBフレームワークスのマーケティング担当。テクニカルソリューション分野での実務経験を活かして、弊社のサービスや、業界の話題などを解説いたします。物流技術管理士補。
関連記事
サービスの詳細について資料をご用意しております。社内での検討などにご活用ください。
サービスの詳細や料金へのご質問、商談のお申し込みや、お見積りのご相談は、こちらよりお問い合わせください。












