デバンニングとは?作業手順や課題、安全に効率よく行う方法を解説
監修者プロフィール
SBフレームワークス マーケティング/広報
玉橋 丈児
物流×輸配送×テクニカルソリューションで、お客様の課題解決を目指すSBフレームワークスのマーケティング担当。テクニカルソリューション分野での実務経験を活かして、弊社のサービスや、業界の話題などを解説いたします。物流技術管理士補。
デバンニングは、商品を輸入する際には欠かせない作業です。物流業界ではよく使われている言葉ですが、具体的な作業内容がわからない企業担当者の方もいるのではないでしょうか。
この記事では、デバンニングの作業手順や課題、安全に効率よく行う方法について解説します。
SBフレームワークスでは、ソフトバンクグループの物流面を支えてきた豊富な経験とノウハウを活かし、物流に関するさまざまな課題解決をサポートしています。デバンニングに関して課題や疑問がある場合は、お気軽にご相談ください。
目次
デバンニングとは
デバンニングとは、港に到着したコンテナから貨物を降ろす作業のことをいいます。商品を輸入する際や、海外で製造した自社製品を国内で販売する際に欠かせない作業です。
貨物を降ろす方法には、バラ降ろしとパレット降ろしの2種類があります。
バラ降ろし | 手作業で一つずつコンテナから貨物を降ろす方法 |
パレット降ろし | パレットごとフォークリフトで貨物を降ろす方法 |
バラ降ろしは手間がかかりますが、コンテナにより多くの貨物を積めるため、輸入コストの削減につながります。
パレット降ろしは、パレットに積まれている貨物をパレットごとフォークリフトで降ろす方法です。パレットとは、荷物の保管や輸送のために使用するスノコのような台のことです。
パレット降ろしは、作業時間を短縮できる点がメリットですが、一つのコンテナに積める貨物の数は減ってしまいます。
デバンニングの作業手順
デバンニングの作業手順は、以下のとおりです。
- 作業環境を整える
- コンテナを開けて貨物の状態をチェックする
- 荷降ろしをする
- コンテナを清掃する
足場が不安定だと転倒などによる怪我のリスクが高まるため、必要に応じてスロープを設置するなど作業しやすい環境を整えることが大切です。
コンテナは識別番号が書かれたシールで封印されているので、入庫したコンテナが正しいことを確認して封を開けます。その後、コンテナに入っている貨物の状態をチェックし、破損している場合は輸送業者や仕入れ先に連絡しなくてはなりません。
貨物の状態のチェックが終わったら、コンテナから貨物を降ろします。荷降ろしは手作業ですることもあれば、フォークリフトを使用することもあります。
貨物をすべて降ろしコンテナ内の清掃をしたら、デバンニング作業は終了です。
デバンニングの課題
デバンニングには、以下のような課題があります。
- 作業環境が過酷
- 作業中の事故のリスク
- 商品やコンテナの破損リスク
- 作業時間超過による遅延金の発生
安全に効率よくデバンニングを行うためには、デバンニングの課題を把握したうえで、対策を講じる必要があります。
それぞれの課題について見ていきましょう。
作業環境が過酷
コンテナから重い貨物を降ろすデバンニングは、身体的な負担が大きい作業です。熱がこもりやすいコンテナ内は過酷な環境になりやすく、夏はコンテナ内の温度が40~50度になることもあります。
そのため、作業者から敬遠されやすく人材が定着しづらい課題を抱えています。フォークリフトやロボットの導入など、作業員の負担をできるだけ減らす工夫が必要です。
作業中の事故のリスク
作業中に事故が起きるリスクがある点もデバンニングの課題です。足場が不安定な状態でデバンニングをしなければならない場合があるため、事故が発生し作業員がケガを負うリスクがあります。
作業中の事故は労災に該当し、大きな問題となります。
商品やコンテナの破損リスク
デバンニング中に商品やコンテナを破損してしまうリスクもあります。
作業中に荷崩れが起きたり、商品を落としてしまったりすると、商品が破損し損害賠償が発生する可能性があります。また、コンテナを破損してしまった場合には、修理費用を負担しなければなりません。
作業時間超過による遅延金の発生
デバンニングは、2時間以内で作業を終わらせるルールであることが多く、作業時間を超過してしまうと遅延金を支払わなければなりません。
一般的に港に到着したコンテナは、コンテナを陸送する業者により倉庫などの指定場所に移され、そこでデバンニングをします。限られた時間の中で、安全性や正確性を担保しながら作業を進める必要があります。
デバンニングを安全に効率よく行う方法
デバンニングは指定された作業時間内に終わらせなくてはならないため、安全性を確保しながら効率よく行う必要があります。
ここからは、デバンニングを安全に効率よく行う方法について解説します。
デバンニングを外注する
取り扱う貨物の重量が大きい場合やコンテナあたりの貨物の個数が多い場合は、デバンニングの外注を検討するとよいでしょう。
デバンニング業者は経験にもとづいたデバンニングのノウハウをもっているため、スピーディーかつ安全にデバンニング作業を進められます。
作業しやすい環境を整える
デバンニングを安全に効率よく行うためには、作業しやすい環境を整えることが大切です。
作業員にヘルメットや安全靴を着用させたり、冷却装置を設置してコンテナ内の温度を下げたりするなどの環境整備をしましょう。
また、コンテナと作業場に高低差があると貨物を破損してしまうリスクが高くなるので、スロープなどを活用して貨物の移動を行うのが望ましいです。
適切な人員を確保する
作業量に対して確保している人員が少ないと、契約で定められた時間を超過してしまう恐れがあります。
時間が迫っている焦りからミスやケガが生じるリスクもあるため、適切な人員を確保する必要があります。
一般的に、特別な作業がなければ2〜3人、貨物の種類が多い場合や検品作業も並行して行う場合は4〜5人が適切です。
ロボットを活用する
ロボットの活用も、デバンニングの効率化に有効です。たとえばコンテナ内に自動で入り、1時間あたり最大600個の大小さまざまな重量物の荷降ろしができるロボットもあります(※1)。
ロボットの活用により、デバンニングを自動で行えるようになると、人手不足の解消や事故やケガのリスクの軽減が見込めます。
※1 参考:川崎重工業株式会社「物流分野向け混載対応デバンニングロボット「Vambo」を新発売」
パレット納品を推進する
パレット納品の推進もデバンニング作業の効率化につながります。パレット納品とすれば貨物をまとめて運べるため、バラ降ろしよりも短時間で効率よくデバンニング作業を進められます。
パレット納品にするためには、以下の条件を満たす必要があります。
- 納品先にフォークリフトがある
- 大型貨物の荷降ろしができる大きな倉庫がある
上記を満たし、パレット納品が可能なときは検討するとよいでしょう。
デバンニングを外注する際にチェックすべきこと
取り扱う貨物の個数が多い場合や人員を十分に確保できない場合などは、デバンニングの外注を検討しましょう。
デバンニングを外注する場合にチェックしておくべき点には、以下が挙げられます。
- 港から倉庫までの距離が近いか
- バラ降ろしに対応しているか
- 作業時間帯が限定されていないか
それぞれのチェックポイントについて解説します。
港から倉庫までの距離が近いか
コンテナが到着した港とデバンニング作業をする倉庫の距離が近いかチェックしましょう。
港から倉庫までの距離が遠いとコンテナを陸送するための費用が高くなってしまいます。できるだけ港から近い倉庫をもっている業者を選ぶとよいでしょう。
バラ降ろしに対応しているか
バラ降ろしに対応しているかどうかもチェックすべきポイントです。バラ降ろしは作業の手間がかかるため対応していない業者もあります。
輸入コスト削減のためにバラ降ろしを検討している場合は、よくチェックしておきましょう。
作業時間帯が限定されていないか
作業時間帯が限定されているデバンニング業者もあるため注意が必要です。
また、倉庫の駐車スペースが狭いと時間帯ごとの受け入れに限りがあり、受け入れを断られたり時間を制限されたりする場合もあります。
広い駐車スペースのある倉庫をもっており、作業日や作業時間帯などを柔軟に対応してくれる業者を選ぶとよいでしょう。
デバンニングについて理解し物流工程を最適化しよう
デバンニングは商品を輸入する際に必須の作業ですが、作業者への身体的負担が大きく、作業中の事故のリスクもあります。そのため、人材が定着しづらいなどの課題を抱えています。
安全を確保しながらデバンニングを効率よく行うためには、作業環境を整えたりフォークリフトやロボットなどを活用したりすることが大切です。
自社でデバンニングを効率的に行うのが難しい場合は、外注を検討するとよいでしょう。デバンニングに関するノウハウを持っている物流業者に外注することで、安全かつ効率的にデバンニング作業をすすめられます。
SBフレームワークスでも、デバンニングの代行を承っています。ソフトバンクグループの物流面を支えてきた豊富な経験とノウハウをもとに最適な方法を提案いたしますので、まずはお気軽にご相談ください。
監修者プロフィール
SBフレームワークス マーケティング/広報
玉橋 丈児
物流×輸配送×テクニカルソリューションで、お客様の課題解決を目指すSBフレームワークスのマーケティング担当。テクニカルソリューション分野での実務経験を活かして、弊社のサービスや、業界の話題などを解説いたします。物流技術管理士補。
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