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NEXT GIGAとは?文部科学省が推進する共同調達や補助金の内容、2025年以降の計画について

キッティング
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NEXT GIGAとは

監修者プロフィール

玉橋丈児

SBフレームワークス マーケティング/広報

玉橋 丈児

物流×輸配送×テクニカルソリューションで、お客様の課題解決を目指すSBフレームワークスのマーケティング担当。テクニカルソリューション分野での実務経験を活かして、弊社のサービスや、業界の話題などを解説いたします。物流技術管理士補。

政府が推進しているGIGAスクール構想は、第2期にあたる「NEXT GIGA」に突入しています。1人1台の学習用端末の導入がほぼ完了しているなかで、「NEXT GIGAでは、何を取り組めばよいのか?」と疑問を持っている自治体の担当者の方もいるのではないでしょうか。

本記事では、NEXT GIGAにて解決が求められている課題や文科省の取り組み、自治体が今後実施すべき対策を解説します。

NEXT GIGAに向けて端末の整備・更新についてお悩みの場合は、SBフレームワークスにご相談ください。弊社では端末の初期設定やセキュリティ対策、マニュアルの作成まで、お客様のニーズに合わせたご支援が可能です。

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NEXT GIGAとは?GIGAスクール構想の第2期を指す

NEXT GIGAとは、2024年度から2028年度で実施される、GIGAスクール構想の第2期のことです。NEXT GIGAでは、2023年度以前のGIGAスクール構想第1期で浮き彫りとなった課題の解決を主な目的としています。

GIGAスクール構想とは、2019年に文部科学省から発表された取り組みです。小学校から高等学校の児童・生徒1人に対して1台の学習用端末を配布し、ICTを利活用できる状態に統一することを目指すものです。

GIGAスクール構想第1期では、2022年度時点で義務教育段階における1人1台端末の環境整備は99.9%に達し、端末の利活用が進められる状態になりました。

NEXT GIGAでは、配布した端末の劣化や教職員のICT活用に関する知識不足など、GIGAスクール構想第1期を経て浮き彫りになった課題を解消する方針です。

参考:
文部科学省「GIGAスクール構想の実現パッケージ~令和の時代のスタンダードな学校へ~
文部科学省「義務教育段階における1人1台端末の整備状況(令和4年度末時点)

NEXT GIGAにて解決が求められている課題

NEXT GIGAで解決が求められている課題は、以下のとおりです。

  • 端末の整備・更新
  • 1人1台端末の利活用における自治体間での格差
  • ICTを活用した教員の指導力の格差

それぞれについて詳しく解説します。

端末の整備・更新

NEXT GIGAでは、2024年度から約5年をかけて計画的に端末の整備・更新を実施することが求められています。

GIGAスクール構想第1期で配布した端末の故障が増加していることや、バッテリーの耐用年数が迫っていることが課題として挙げられたためです。

整備・更新の対象は、予備機を含む児童・生徒全員分の端末です。文部科学省が捻出する予算には、端末の整備・更新に必要な補助金の額が考慮されています。

参考:
文部科学省「総合経済対策及び令和5年度補正予算(GIGAスクール構想関係)について
文部科学省「令和5年度学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果(概要)

1人1台端末の利活用における自治体間での格差

1人1台端末の利活用において、自治体間で差があることも課題の一つです。

文部科学省ではICT環境の整備を進め、すべての自治体や学校で端末を日常的に利用できる環境の構築を目指しています。しかし、GIGAスクール構想第1期では、自治体間でのICT利活用の格差が浮き彫りとなりました。

こうした格差が生じる理由は、地域によってインターネット接続状況が異なることや、学習者用のデジタル教科書が整備できていないことです。

文部科学省は、自治体の通信状況を把握するために、通信ネットワーク環境の評価に関わる経費の一部を補助金の対象とし、各自治体へ評価の実施を呼びかけています

参考:
文部科学省「令和5年度学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果(概要)
文部科学省「【事務連絡】通信ネットワーク環境の評価(アセスメント)の実施について(依頼)(令和5年2月3日)

ICTを活用した教員の指導力の格差

GIGAスクール構想の課題には、児童・生徒のICT活用を推進するにあたり、教職員の指導力不足も挙げられています。

文部科学省では、教職員のICTを活用した指導力について、以下のチェックリストを使って地域別に統計を取っています。

教職員のICTを活用した指導力

画像引用:文部科学省「令和5年度学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果(概要)

上記項目に対して「できる」「ややできる」の回答を集計した結果、2023年度時点において「授業にICTを活用して指導する能力」は、全都道府県のなかで愛媛県が最も高く98.3%でした。それに対し和歌山県は73.7%と最も低く、平均値の80.4%を下回っています。

また、「児童生徒のICT活用を指導する能力」についても、愛媛県が98.2%、和歌山県は76.9%との結果です。

このように、教職員が「授業にICTを活用して指導する能力」や「児童生徒のICT活用を指導する能力」には、自治体間で格差があることがわかります。

この調査結果を踏まえ、GIGAスクール構想では教職員の指導力の格差を解消し、ICTを活用できるよう教育することが求められています。

参考:文部科学省「令和5年度学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果(概要)

NEXT GIGAに向けた文科省の取り組み

NEXT GIGAに向けて、文科省が推進している主な取り組みは、以下のとおりです。

  • 共同調達を利用した端末整備の推進
  • 自治体ピッチの開催
  • 補助金を交付するための基金の造成

それぞれの取り組みについて解説します。

共同調達を利用した端末整備の推進

GIGAスクール構想では、初期費用の低減や事務作業にかかる負担の軽減を図るために、原則として端末の整備・更新を共同調達で実施することを推進しています。

また、端末の共同調達を円滑に進めるために、文部科学省は都道府県ごとに共同調達会議の設置を義務付けています

そのため、各自治体が端末の整備・更新を実施する際は、都道府県が設置する共同調達会議への参加が必須です

参考:
文部科学省「GIGAスクール構想の実現学習者用コンピュータの調達等ガイドライン
文部科学省「GIGAスクール構想加速化基金管理運営要領

自治体ピッチの開催

デジタル庁は、NEXT GIGAに向けた端末整備・更新を見据えて、2024年4月に「GIGAスクール 自治体ピッチ第2弾」を実施しました。

自治体ピッチとは、開発者が共同利用可能なシステムなどを自治体に向けてプレゼンテーションし、意見交換をする場です。

「GIGAスクール 自治体ピッチ第2弾」では、端末メーカーや通信事業者が教育委員会にサービスやパッケージを提案することが主な内容でした。

自治体は共同調達の数量をまとめたうえで、端末の整備・更新を依頼するメーカーを検討する必要があります。

参考:デジタル庁「GIGAスクール 自治体ピッチ第2弾

補助金を交付するための基金の造成

文部科学省は、計画的な端末の整備・更新を推進するために、基金造成経費を計上しています。

2023年には、都道府県に基金を造成し、公立学校が保有する端末に関して当面は2025年度までの整備・更新に必要な費用を計上する案が公表されました。

また、国私立や日本人学校などに対しても予算案が公表されており、早期更新分に必要な費用を計上しています。

2025年時点ですべての都道府県で基金が造成されており、端末の整備・更新が進められています。

参考:文部科学省「次期 ICT 環境整備方針の在り方ワーキンググループ取りまとめ

NEXT GIGAに向けた学校のICT環境整備3か年計画【2025〜2027年度】

2025年1月に、NEXT GIGAに向けた学校のICT環境の整備方針について文部科学省から通達がありました。学校のICT環境を整備するにあたって、自治体担当者が把握しておきたい内容を解説します。

計画策定の背景

「学校のICT環境整備3か年計画」は、NEXT GIGAが目指す教育のデジタルトランスフォーメーション(DX)を実現するために策定された計画です。

GIGAスクール構想で端末が行き渡った後に見えてきた新たな課題を踏まえて、2025年度以降の学校におけるICT環境整備の方針をまとめています。

具体的には学校のICT環境を整備するうえで、最低限必要なICT機器とその優先順位を整理しています。また、ICT環境の整備を支援するための地方財政措置が講じられる予定です。

学校のICT環境の整備水準

「学校のICT環境整備3か年計画」では、以下のICT機器、周辺機器、体制などを整備することが推奨されています。

ICT機器など概要
学校のネットワーク原則無線LANによるネットワーク環境を、普通教室および特別教室へ常設する
学習者用端末1人1台端末と予備機を整備する
充電装置学習用端末予備機の充電・保管に必要な台数を配備する
指導者用端末教師にそれぞれ1台配備する
業務用ディスプレイ教師にそれぞれ1台配備する
大型提示装置普通教室および特別教室へ常設する
実物投影装置普通教室および特別教室へ常設する(小学校のみ)
ICT支援体制各自治体の設置する学校の4校に1人配置する
学習者支援ツール生徒が誰一人取り残されずに、協働的に学べるものを用意する

各学校は整備方針を参考にして、ICT環境の整備を進める必要があります

参考:文部科学省「令和7年度以降の学校におけるICT環境の整備方針

ICT環境を整備するための措置

計画で推奨されているICT環境を整備するには多くの予算が必要になるため、文部科学省はICT環境の一部に地方財政措置を行う予定です。単年度1,464億円が地方財政措置として計上され、ICT環境を導入する自治体に分配されます

措置の対象は以下のとおりです。

  • 学校のネットワーク
  • 高校生の学習用端末(生徒数の3分の1程度)
  • 指導者用端末および校務用端末
  • 業務用ディスプレイ
  • 次世代型校務支援システムまたは統合型校務支援システム
  • ICT支援体制
  • 教室のICT機器(各普通教室1台、特別教室用として各学校に6台)
  • その他の機器(充電装置や学習支援ツールなど)

上記に加え、学習者用端末の導入における補助金を活用した際の自治体負担分として、単年度373億円を措置する予定です。

参考:文部科学省「学校のICT環境整備3か年計画(2025~2027年度)

NEXT GIGAに向けて自治体が実施すべき取り組み

NEXT GIGAに向けて自治体で実施すべき取り組みは、以下のとおりです。

  • 端末の整備・更新に向けて準備する
  • 教職員のICT利活用を推進する

それぞれについて詳しく解説します。

端末の整備・更新に向けて準備する

自治体は、文部科学省が公表しているガイドラインに沿って、端末の整備・更新に向けて準備を進める必要があります。

具体的には、都道府県が設置する共同調達会議への参加や、補助金を受けるために必要な計画の策定などが挙げられます。

また、端末の整備・更新作業に備えて、キッティングの依頼先を事前に検討しておくことも重要です。キッティングとは、端末に必要な設定をあらかじめ施し、すぐに使用できる状態にする作業のことを指します。

GIGAスクール構想第1期では、各自治体の調達時期が重なったため、キッティングサービスの供給が追いつかず、教職員が自らキッティングに対応せざるを得ないケースもありました。

そのような事態を防ぐために、キッティングサービスの代行業者をあらかじめ検討しておくことが望ましいでしょう。

ソフトバンクグループにて物流事業を担うSBフレームワークスでは、キッティングサービスも実施しています。お客様の要望への対応やマニュアルの作成なども行っており、ニーズに合わせて支援いたします。

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参考:文部科学省「GIGAスクール構想の実現学習者用コンピュータの調達等ガイドライン

教職員のICT利活用を推進する

児童・生徒にICTの利活用した学びを促すには、教職員自身がICTを積極的に利活用し、スキルアップを図る必要があります。

教職員のスキルを測定するには、文部科学省が策定した「教職員のICT活用指導力の基準」を参考にするとよいでしょう。ICT活用指導力の基準には、一例として以下のような内容が挙げられます。

  • 授業の場で児童・生徒の意見や作品などを、ICTを活用して共有させているか
  • 児童・生徒が学習用ソフトウェアを活用して、知識の定着や技能の習得を図れるように指導しているか
  • 児童・生徒に対し、インターネットを使用する際にパスワードを適切に設定・管理し、安全に利用できるように指導しているか

また、研修を実施し教職員の指導力に差ができないような工夫も必要です。

参考:文部科学省「第7章 教員のICT活用指導力の向上

NEXT GIGAに向けた取り組みに対する補助金

NEXT GIGAでは予備機を含む端末の整備・更新費用として、1台あたり55,000円の補助金が支給されます。

学校の運営主体によって、費用の補助率は以下のように異なります。

運営主体補助率
公立3分の2
国立10分の10
私立3分の2
日本人学校など3分の2

また、障がいのある児童・生徒に対応した入出力支援装置も補助の対象です。他にも、理数系科目の推進に注力している高等学校に対し、推進内容に応じたICT環境の整備に関わる経費を支援する補助金もあります。

参考:
文部科学省「GIGAスクール構想加速化基金管理運営要領
文部科学省「総合経済対策及び令和5年度補正予算(GIGAスクール構想関係)について

端末の整備・更新の準備をしてNEXT GIGAに対応しよう

2024年から取り組みが始まったNEXT GIGAでは、GIGAスクール構想第1期で浮き彫りとなった課題を解決するために、端末の整備・更新が主な取り組みとして進められています。また、1人1台端末の利活用を進めるには、自治体間のICT環境格差を失くし、教師の指導力不足を解消する取り組みが重要です。

端末の整備・更新は2024年度から約5年をかけて計画的に実施される予定です。ただし、故障やバッテリーの耐用年数を考慮すると、端末の整備・更新に向けて早めに動きだすことが望ましいといえます。

端末の整備や更新について不安がある場合は、SBフレームワークスにご相談ください。弊社では年間30万台のキッティング実績があり、お客様のお悩みを解決できるご提案が可能です。

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監修者プロフィール

玉橋丈児

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物流×輸配送×テクニカルソリューションで、お客様の課題解決を目指すSBフレームワークスのマーケティング担当。テクニカルソリューション分野での実務経験を活かして、弊社のサービスや、業界の話題などを解説いたします。物流技術管理士補。

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