スマホのキッティングとは?セットアップとの違いや作業内容、外注するメリットを解説

監修者プロフィール

SBフレームワークス マーケティング/広報
玉橋 丈児
物流×輸配送×テクニカルソリューションで、お客様の課題解決を目指すSBフレームワークスのマーケティング担当。テクニカルソリューション分野での実務経験を活かして、弊社のサービスや、業界の話題などを解説いたします。物流技術管理士補。
従業員にスマホを支給する際には、キッティング作業を行い、すぐに業務で使用できる状態にしておく必要があります。
スマホのキッティング作業は、人手や時間を要する作業です。そのため、作業の効率化や作業負担の軽減方法を検討している担当者の方もいるのではないでしょうか。
この記事では、キッティングの作業内容やキッティング代行サービスを利用するメリットを解説します。
SBフレームワークスではお客様のニーズに合わせ、スマホのキッティング作業を代行可能です。スマホのキッティングについて課題や悩みがある場合は、年間30万台のキッティング実績がある弊社にぜひご相談ください。
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目次
スマホのキッティングとは?

スマホのキッティングとは、購入したスマホを従業員がすぐに業務で使用できる状態に整える作業のことです。具体的には、端末を箱から取り出してSIMカードを挿入し、各種初期設定やアプリのインストール、端末管理のラベル貼りなどを行います。
また、業務用として支給するスマホであっても、従業員が私的に使用する可能性があるため、不必要なWebサイトの閲覧やアプリのインストールを制限する設定をする場合もあります。
スマホのキッティングとセットアップの違い

スマホのキッティングとセットアップの主な違いは作業範囲です。具体的な違いは、以下のとおりです。
項目 | キッティング | セットアップ |
概要 | セットアップだけでなく業務に必要な設定を行い、スマホをすぐに利用できる状態にするまでの一連の作業 | スマホを使える状態にするまでの初期設定 |
目的 | 業務に最適な状態に整備し、管理・運用をスムーズできるようにするため | 端末の初期起動と基本利用を可能にするため |
主な作業内容 | ・セットアップ ・業務で使用するアプリの導入 ・不要なアプリの削除 ・セキュリティ設定 ・MDM登録 ・ラベル貼付 など | ・言語設定 ・Wi-Fi設定 ・アカウント登録 など |
セットアップは、言語やWi-Fiの設定、Googleアカウントの登録など、スマホを使用できる状態にする初期設定にとどまります。
一方、キッティングは、業務で使用するアプリのインストールやMDM登録、ラベル貼付などの作業も含まれます。業務でスマホをすぐに利用できる状態にするには、キッティングが必要です。
スマホのキッティングの作業内容

スマホのキッティングは、以下のような流れで進めます。
- スマホを開梱し、必要であれば端末を充電して作業ができるようにする
- SIMカードを挿入して、通信・通話ができる状態にする
- スマホを起動し、言語設定やアカウント設定などの初期設定をする
- セキュリティアプリのインストールなど、セキュリティ関連の設定をする
- あらかじめインストールされているアプリのうち、不要なものを削除する
- Wi-Fi・テザリング・VPNなどのネットワーク関連の設定をする
- 業務に必要なアプリをインストールする
- 端末が問題なく作動するか確認する
- 端末に管理用の識別ラベルを貼る
- 必要に応じてIT資産管理台帳に登録する
スマホの台数が多い場合、キッティング作業には膨大な手間と時間がかかります。セットアップ作業においては自動設定ツールの導入が進んでおり、作業時間を短縮したり、人的ミスを減らしたりする工夫がされています。
自社でスマホのキッティングをする場合の懸念点

自社でスマホのキッティングを行う場合、以下のような懸念点があります。
- 人手や時間、場所が必要になる
- ネットワーク負荷がかかる
- 人的ミスの恐れがある
- セキュリティ対策が不十分になる可能性がある
それぞれについて詳しく解説します。
人手や時間、場所が必要になる
スマホのキッティング作業は、端末台数が増えるほど人手や時間がかかります。また、大量のスマホを同時にキッティングする場合、作業場所も準備しなければなりません。
自社のスマホのキッティング作業は、直接的な利益につながらないノンコア業務です。そのため、できるだけ人手や時間をかけずに行うのが望ましいですが、実際には膨大な時間と人件費がかかってしまいます。
ネットワーク負荷がかかる
スマホのキッティング作業では、大量のアプリをダウンロード・インストールするため、強靭なネットワークが必要です。
自社の業務と同時にキッティング作業をすると、自社ネットワークを圧迫してしまい、業務に支障が出る可能性があります。
人的ミスの恐れがある
キッティングは高い正確性が求められる作業であり、専門的な知識をもたない者が行うと人的ミスが起きるリスクが高まります。
キッティング作業中に設定ミスがあったり、キッティング作業のやり方自体に問題があったりすると、業務に支障をきたす恐れがあります。
セキュリティ対策が不十分になる可能性がある
自社でスマホのキッティングをする場合、セキュリティ対策が不十分になる可能性があります。
セキュリティ対策が徹底できていないと、ウイルス感染や不正アクセスによって、企業の機密情報・顧客情報の漏えいなど、深刻な事態が起きる恐れがあります。
スマホのキッティングは自社対応と外注どちらが向いている?

スマホのキッティングを自社で対応するか外注するかは、台数や納期、社内リソース、セキュリティ要件などを総合的に考慮して決めることが大切です。下表に自社対応が向いているケース・外注が向いているケースをまとめました。
自社対応が向いているケース | 外注が向いているケース |
・業務で使用するスマホの台数が少ない ・社内にキッティングの専門知識や作業経験をもつ従業員がいる ・時間や人手に余裕がある ・セキュリティやネットワーク設定を社内で細かく調整したい | ・業務で使用するスマホの台数が多い ・キッティングの専門知識をもつ従業員がいない ・短期間でキッティングを終わらせたい ・セキュリティ対策やMDM設定まで一括で任せたい |
たとえば、営業担当の数名だけにスマホを支給し、内勤従業員は社用スマホをもたないような運用をするケースでは、自社対応で十分かもしれません。
一方、数十名から数百名の新入社員が同時に入社するタイミングで、一斉にスマホを配布するようなケースでは、外注したほうが効率的に進められます。
また、状況によって自社対応と外注を使い分けるのもよいでしょう。たとえば、普段は担当者が社内で少数端末をキッティングし、異動や採用が集中する年度はじめは専門業者に依頼するのも一つの選択肢です。
スマホのキッティング代行サービスを利用するメリット

スマホのキッティング作業を代行してくれるサービスもあります。スマホのキッティング代行サービスを利用することで、前述した懸念点の解消が可能です。
ここからはキッティング代行サービスを利用するメリットについて解説します。
従業員の作業負担が減る
スマホのキッティングを外注すると、購入した端末の電源を入れるだけですぐに使える状態になるようにすべて設定されるため、従業員の作業負担が減ります。
その結果、従業員はデバイスの設定作業に時間を取られることなく、コア業務に集中できます。
スピーディーにキッティングが完了できる
キッティング専門業者は、キッティングを効率的に行うためのノウハウを持っています。そのため、自社で行うよりも外注したほうがスピーディーにキッティングを完了できます。
ツールを使用した自動キッティングが一般的な作業方法であり、大量のデバイスであっても迅速に設定可能です。また、ツールを使うことで人的ミスを防ぎ、すべてのデバイスの設定品質を向上できます。
適切なセキュリティ対策をとれる
スマホのキッティング代行サービスを利用することで、適切なセキュリティ対策を行えます。
自社でセキュリティ対策をする場合、1台ずつセキュリティアプリの設定をするのに、膨大な手間と時間が必要です。しかし、キッティングの専門業者に依頼すれば、セキュリティアプリの設定や動作確認まで対応可能です。
また、セキュリティ対策の一つとしてMDM(モバイル・デバイス・マネジメント)があります。MDMとは、スマホやタブレットなどのモバイルデバイスを一括で設定・管理する仕組みです。
MDMを活用することで不必要なアプリの使用制限や、端末を紛失してしまった際の遠隔初期化により、情報漏えいを防げます。
従業員のスマホのセキュリティ対策は万全にしておく必要があるため、専門業者に委託したほうが安心です。
スマホのキッティング代行業者を選ぶ際に確認すべきポイント

スマホのキッティング代行業者を選ぶ際は、以下の点を確認しましょう。
- セキュリティ体制
- 対応している端末・OSの種類
- 対応可能台数・期間
- 対応地域・訪問対応の可否
それぞれ詳しく解説します。
セキュリティ体制
キッティング代行業者を選ぶ際は、セキュリティ体制が整っているかどうかを必ず確認しましょう。業務用スマホのキッティングでは、個人情報や業務データに触れる場合もあるため、情報漏えいのリスクが少なからずあります。事前に以下の点を確認しておきましょう。
- 作業エリアに部外者が立ち入れない環境か
- 情報漏えい防止策(監視カメラや入退室管理、作業ログの記録など)があるか
- MDMの設定やアプリの制限、遠隔ロック機能の設定まで対応しているか
- 情報セキュリティに関する認証を取得しているか
セキュリティ面での信頼性が高い業者を選ぶことで、企業の機密情報を守りつつ、安全にキッティングを進められます。
対応している端末・OSの種類
キッティング代行業者を選ぶ際は、業務で使用するスマホの端末やOSに対応しているかを確認しましょう。業者によって対応可能な機種やOSのバージョンが異なるからです。
また、GalaxyシリーズでのKnox設定や、iOS端末でのMDM登録など、メーカー固有の設定も対応できるか確認が必要です。
対応可能台数・期間
対応可能な台数と納期も事前に確認しておきましょう。業者によっては、一度に対応できる台数の上限や、最低対応台数を設けているからです。
また、設定完了までにかかる期間も業者ごとに異なるため、とくに急ぎの場合は、短納期に対応しているかも確認しておきましょう。
対応地域・オンサイト対応の可否
対応地域や訪問対応の可否も忘れずに確認しましょう。業者によっては、訪問によるオンサイトでのキッティング作業に対応していない場合や、対応地域を一部のエリアに限定している場合があるからです。
全国に複数の拠点があり、各拠点で使用するスマホのキッティングを一括で依頼したい場合は、全国対応可能な業者がおすすめです。一社にまとめて依頼できるため、やり取りの手間や調整の負担を減らせます。
スマホのキッティングの効率化にはLCMサービスの利用もおすすめ

スマホのキッティングの効率化には、LCMサービスの利用もおすすめです。
LCM(Life Cycle Management)サービスとは、スマホなどのIT機器の調達から廃棄までを包括的にサポートするサービスです。
具体的には、自社に合ったデバイスの提案からキッティング、デバイス故障時の代替機の手配、廃棄時のデータ消去まで、ライフサイクル全体に対応しています。
キッティング作業だけでなく古い端末のデータ消去・売却、端末管理など幅広く代行するため、総務やシステム部門の担当者の業務負担をさらに軽減できるでしょう。
LCMについては以下の記事で詳しく解説しています。
スマホのキッティングサービスを上手に活用して効率化を図ろう

スマホのキッティング作業は、導入するスマホの台数が増えるほど、膨大なリソースが必要です。
しかし、スマホのキッティング代行サービスを利用することで、従業員の負担を軽減でき、スムーズにキッティング作業を完了させられます。
また、キッティングだけでなく、導入後の運用やMDM管理など幅広く代行可能なLCMサービスの活用もおすすめです。
システム担当者のコア業務を圧迫しないためにも、キッティング代行サービスを上手に活用して、スマホのキッティングを効率よく進めましょう。
\年間30万台のキッティング実績にもとづき提案/
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物流×輸配送×テクニカルソリューションで、お客様の課題解決を目指すSBフレームワークスのマーケティング担当。テクニカルソリューション分野での実務経験を活かして、弊社のサービスや、業界の話題などを解説いたします。物流技術管理士補。
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