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IT資産管理とは?管理項目や行う目的を解説

LCM
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監修者プロフィール

玉橋丈児

SBフレームワークス マーケティング/広報

玉橋 丈児

物流×輸配送×テクニカルソリューションで、お客様の課題解決を目指すSBフレームワークスのマーケティング担当。テクニカルソリューション分野での実務経験を活かして、弊社のサービスや、業界の話題などを解説いたします。物流技術管理士補。

IT資産管理は、企業が保有するIT資産を正しく、かつ効率的に運用するために欠かせない取り組みです。近年、IT機器の増加や多様化に伴い、IT資産管理の必要性が高まる中で「何をどのように管理すればよいのかわからない」と悩む担当者の方は多いのではないでしょうか。

IT資産管理を適切に行うためには、自社のIT資産の種類や数量を正確に把握し、それに応じた最適な管理方法を検討する必要があります。

本記事では、IT資産管理の対象となる管理項目や、実際に行う業務内容を解説します。

IT資産管理とは

IT資産管理とは、企業などが保有するIT資産の状況や情報を正しく把握して管理することを指します。具体的には、以下のような情報を対象に管理を行います。

  • 機器の種類、台数、端末情報などの物的情報
  • 耐用年数や減価償却状況などの会計処理に関する情報
  • IT資産の利用状況

これらの情報を適切に管理することで、IT資産の正確かつ効率的な運用が可能になります。

管理の対象となる主なIT資産

IT資産管理の対象となる主なIT資産は、以下の3つです。

  • ハードウェア
  • ソフトウェア
  • ライセンス

以下、それぞれについて詳しく解説します。

ハードウェア

ハードウェアは、IT資産管理において最も基本となるIT資産です。以下のようなものがハードウェア資産に該当します。

  • パソコン
  • ワークステーション
  • 周辺機器(プリンターや複合機など)
  • タブレット端末やスマートフォン
  • モデム・ルーターなどの社内ネットワークインフラ機器
  • USBメモリやSDカードなどの記録メディア

これらの機器については、それぞれのハードウェア資産の台数だけでなく、管理番号、メーカー名、シリアル番号などの端末情報も管理の対象です。「誰がどこで使用しているか」を把握するために、使用している拠点や部署、使用者名の情報も合わせて管理する必要があります。

また、会計処理が適切に行えるよう、耐用年数や減価償却状況も管理します。

ソフトウェア

コンピューターにインストールして使用するソフトウェアも、IT資産の一部です。管理の対象となるのは、以下のようなソフトウェアです。

  • WindowsやmacOS、LinuxなどのOS(オペレーティング・システム)
  • Microsoft Officeなどの業務で使用するアプリ
  • セキュリティ対策ソフトウェア

ソフトウェア資産の管理では、ソフトウェアの名称やバージョンに加え、どのデバイスでどのようなソフトウェアが使われているかまで把握する必要があります。ソフトウェアは、アップデートやバージョン変更が頻繫に行われるため、常に最新情報の確認と更新が必要です。

ライセンス

ソフトウェアを利用する際に必要となるライセンスも、IT資産の一つです。

ライセンスとは、ソフトウェアの使用許諾契約を締結することで付与される使用権のことを指します。一つのライセンスごとに、利用可能なデバイスの台数や商用利用の可否など、使用条件が定められています。

IT資産管理では、ライセンス一つひとつをIT資産と捉え、保有数や使用状況の把握、認証番号や有効期限の管理、更新を行います。どのライセンスでどのデバイスにソフトウェアをインストールしているかを把握するために、ハードウェアやソフトウェアの情報と、ライセンス情報を関連付けて管理しなければなりません

使用許諾契約書やインストールに使用したメディア、ソフトウェアのパッケージがある場合は、そのパッケージ(箱)も管理の対象になります。

IT資産管理で実際に行う業務内容

一般的にIT資産管理では、表計算ソフトや専用アプリケーションを使い、以下のような項目の管理を行います。

  • 各IT資産のシリアル番号などの固有情報、稼動状況・利用者情報
  • ハードウェア資産の耐用年数情報・減価償却状況
  • ハードウェア資産やソフトウェア資産の性能に関する情報
  • ハードウェア資産やソフトウェア資産の修正・アップデートに関する情報
  • ソフトウェアライセンスの有効期間・契約内容と利用中のライセンス数

たとえば、管理リスト上で耐用年数が迫るハードウェア資産があれば、減価償却の状況、使用者が求める仕様や性能を確認したうえで、廃棄または新規購入を検討します。新しく機器を購入した際には、その情報を管理リストに追加し、資産情報を最新の状態にする作業も必要です。

また、従業員の入社・異動による機器の配布・回収・再配布も、IT資産管理に含まれる業務の一つです。

このように、IT資産管理では、単にIT資産情報を管理するだけでなく、IT機器の調達、設定、運用、廃棄までを一貫して管理するLCM(ライフサイクルマネジメント)業務も行います

IT資産管理を行う目的・必要性

IT資産管理を行う目的・必要性としては、以下のようなことが挙げられます。

  • コストの最適化
  • コンプライアンス違反の防止
  • 情報セキュリティの強化

以下、それぞれについて詳しく解説します。

コストの最適化

IT資産管理を行う目的の一つは、コストの最適化です。

IT資産を効率的に運用するためには、社内の資産を「必要なときに、必要な場所へ」適切に配分する必要があります。たとえば、使えるIT資産が余っているにも関わらず追加購入した場合や、業務に対して必要性の低い機器を購入した場合は、IT資産を過剰に保有することになり、資産を浪費しかねません。

IT資産管理を通じて、現在のIT資産の保有状況や利用実態を正確に把握することで、適切な予算立案とIT資産の棚卸しが可能になるでしょう。また、使われていない、あるいは必要性の低いIT資産がある場合は、適切に再分配したり中古として売却したりすることでコストを最適化できます。

その結果、IT資産の活用が促進され、生産性の向上や利益の最大化につながります。

コンプライアンス違反の防止

IT資産管理には、コンプライアンス違反を防止する目的もあります。IT資産の使い方や利用状況を適切に管理することは、コンプライアンス違反の抑止力となるためです。

情報システムにおけるコンプライアンスとは、ITの使用に関する社内規則や法令(個人情報保護法や著作権法など)、ソフトウェアの利用規約を遵守することを指します。

コンプライアンスに違反すると、企業の社会的信用を失う可能性があります。たとえば、許可を得ずにソフトウェアをコピーした場合は、ライセンス違反に該当し損害賠償を請求されたり、法的責任を問われたりしかねません。

このようなリスクを回避するためにも、企業はソフトウェアをはじめとするIT資産がルールにしたがって利用されているかを確認し、コンプライアンスの遵守に努める必要があります。

情報セキュリティの強化

情報セキュリティの強化も、IT資産管理を行う目的の一つです。

利用者はIT資産を介して、企業の経営戦略や顧客情報、従業員の個人情報など、さまざまな機密情報を取り扱います。IT資産が適正に管理されていない場合、これらの情報の機密性・完全性が脅かされかねません。

たとえば、OSやソフトウェアに修正パッチや最新プログラムが適用されていなければ、セキュリティの脆弱性が放置されたままとなり、サイバー攻撃を受けるリスクが高まります。

また、従業員が無許可のソフトウェアをインストールする、私物のUSBメモリなどを使用することにより、マルウェアに感染するケースもあり得ます。

情報漏えいやデータの破損・改ざんを防ぐためには、情報セキュリティを強化して、サイバー攻撃やマルウェア感染などのリスクを低減させることが重要です。そのためにはIT資産管理を適切に行い、更新されていないソフトウェアがないか、IT資産が適切に使用されているかを監視する必要があります。

IT資産管理の課題

IT資産管理で企業が直面しやすい課題としては、以下のようなことが挙げられます。

  • 担当者の業務負担が大きい
  • 入力ミスなどのヒューマンエラーが生じやすい
  • IT資産の所在が不明になりやすい

従来のIT資産管理は、表計算ソフトなどを使った台帳管理が主流でした。しかし、その方法では、社内に点在する膨大なIT資産について、耐用年数やライセンス管理などの細かな情報をすべて人力で入力・更新する必要があり、担当者の大きな負担となっていました。また、入力ミスなどのヒューマンエラーが生じやすいという課題もあります。

加えて、管理が煩雑であるために、IT資産の所在が不明になりがちです。とくに、古いパソコンをさまざまな部署で使い回している場合は、所在不明となる可能性が高まります。

このような課題への対応策として、近年導入が進んでいるのがIT資産管理ツールです。IT資産管理ツールとは、IT資産の保有状況を可視化し、効率的に管理できるようにプログラムされたソフトウェアやクラウドサービスのことを指します。これらツールを導入すれば、IT資産の情報を自動で収集・台帳化でき、業務の効率化や精度の向上が期待できます。

ただし、IT資産管理には、機器の調達・設定・運用・廃棄といったLCM(ライフサイクルマネジメント)業務も含まれるため、IT資産管理ツールを導入しただけでは効率化できない部分が残るでしょう。また、オンプレミス型のIT資産管理ツールの場合、社内LANに接続しないとデバイスの利用状況を把握できないため、テレワークで使用する機器や他拠点への対応が難しい問題があります。

IT資産管理にはLCMサービスの利用がおすすめ

LCMサービスのイメージ

IT資産管理業務において不可欠な機器の調達・設定・運用・廃棄を効率的に行いたい場合は、LCMサービスの利用が有効です。LCMサービスとは、IT機器の調達から廃棄に至る一連の業務を代行するアウトソーシングサービスのことを指します。

前述したように、IT資産管理ではIT機器の調達や廃棄も行う必要があるため、IT資産管理ツールのみでIT資産管理業務全般を網羅することは困難です。したがって、一般的にはIT資産管理ツールの活用と台帳管理を併用するものの、IT機器の管理・運用には依然として工数がかかるのが現状です。

しかし、LCMサービスなら手間がかかるIT機器のライフサイクル関連業務を丸ごと、または一部を任せられるため、担当者の業務負担を大幅に軽減できます。また、テレワーク環境下で使用する機器の管理や多拠点にわたる管理も可能です。

LCMサービスを、IT資産管理ツールと組み合わせて利用することで、より効率的なIT資産管理が可能です。たとえば、Saas(ソフトウェアをインターネット経由で利用できるサービス)のライセンス情報を、IT資産管理ツールで一元管理し、機器の入れ替えや追加などの作業はLCMサービスを利用するといったやり方が考えられます。

\IT機器のライフサイクルを包括的にサポート/

IT資産管理を適切に行おう

IT資産管理を行う際は、まず自社のIT資産の状況を確認する必要があります。そのうえで、IT資産の保有状況に合った管理方法を検討することが大切です。

自社が保有するIT資産がそれほど多くない場合は、IT資産管理ツールと台帳管理を組み合わせた一般的な管理方法でもよいでしょう。一方、保有しているIT資産が多く、調達〜廃棄までのライフサイクル管理が課題になっている場合は、LCMサービスとIT資産管理ツールを併用するのがおすすめです。

自社に合った管理方法により、IT資産管理を適切に行いましょう。

自社のIT資産管理にLCMサービスを活用したいとお考えの場合は、SBフレームワークスにご相談ください。IT機器の専門家がお客様のIT機器の保有状況に応じた適切なライフサイクルプランをご提案いたします。ぜひお気軽にお問い合わせください。

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