ITアウトソーシングとは?活用するメリット・注意点をわかりやすく解説

監修者プロフィール

SBフレームワークス マーケティング/広報
玉橋 丈児
物流×輸配送×テクニカルソリューションで、お客様の課題解決を目指すSBフレームワークスのマーケティング担当。テクニカルソリューション分野での実務経験を活かして、弊社のサービスや、業界の話題などを解説いたします。物流技術管理士補。
ITアウトソーシングとは、システムの開発や運用など、ITに関連する業務を外部の専門企業に委託することです。専門知識が必要な業務を外部に任せることで、社内のIT担当者の負担を軽減できる点が特徴です。
本記事では、ITアウトソーシングで委託できる業務やSESとの違い、活用するメリットを解説します。
目次
ITアウトソーシングとは

ITアウトソーシングとは、企業が自社のIT関連業務を外部の専門的な企業に委託することです。ソフトウェア開発や、従業員からのPCトラブルに関する問い合わせ対応など、委託できる業務は多岐にわたります。コア業務とは別に存在するIT関連業務が自社の負担となっている場合でも、ITアウトソーシングを活用すれば、コア業務により集中できるでしょう。
また、ITアウトソーシングは自社でIT人材を確保するのが難しい場合にも有効な手段です。経済産業省の資料によると、2030年には約79万人のIT人材が不足すると予測されています(※1)。近年、企業にDX(デジタルトランスフォーメーション)への対応が求められる中で、ITアウトソーシングの重要性は高まっていくでしょう。
※1参考:経済産業省「IT分野について」
ITアウトソーシングとSESの違い

ITアウトソーシングとSES(システムエンジニアリングサービス)は、業務の形態に大きな違いがあります。
委託方法 | 業務形態 |
ITアウトソーシング | ・外部企業に業務の一部または全部を委託する ・業務の管理と運用は委託先が行う |
SES | ・外部企業に所属するエンジニアの労働力を提供してもらう ・業務の管理は自社で行う |
ITアウトソーシングは、業務そのものを外部企業に委託し、業務の運用や成果物の管理も委託先が行います。一方、SESはエンジニアという「人材」を提供する契約形態であり、業務管理や成果物の責任は基本的に依頼側(発注者)が担います。
ITアウトソーシングで委託できる業務

ITアウトソーシングで委託できる業務には、以下のようなものが挙げられます。
業務 | 内容 | 選択できる形態 |
開発 | 業務で使用するシステムやアプリの開発を行う業務 | ・成果物納品 ・作業単位での対応 |
保守 | 既存システムの改修やメンテナンスを行う業務 | ・作業単位での対応 |
運用 | サーバーやOSなどのインフラが正常に機能するよう管理する業務 | ・業務運用ごと外部化 |
ヘルプデスク | 顧客や社内の従業員からの問い合わせに対応する業務 | ・業務運用ごと外部化 ・人材導入 |
キッティング | PCやスマホなどのIT機器を業務ですぐに使えるようにする作業 | ・作業単位での対応 ・人材導入 |
IT資産管理 | PCやサーバーなど社内で使用するIT資産の端末情報を管理し、適切なセキュリティ対策を講じる業務 | ・業務運用ごと外部化 ・作業単位での対応 ・人材導入 |
PMO(プロジェクトマネジメントオフィス) | プロジェクトの進行管理や品質管理などを行う業務 | ・人材導入 |
※「人材導入」について:ここでいう「人材導入」は、前項のSESには非該当。ITエンジニア(SES該当)ではなく、定型業務に対応するスタッフの配置(ヘルプデスクの一次受付など)はITアウトソーシングの範囲に含む。
システムの開発や運用、IT資産の端末情報やセキュリティ面の管理など、さまざまな業務がアウトソーシングの対象になります。業務を一括で委託することも、一部分のみを委託することも可能です。
たとえば、新たなシステム開発を進めるにあたって、要件定義のフェーズからアウトソーシングする選択肢もあれば、コーディングや動作テストのみをアウトソーシングするといった選択肢もあります。また、IT資産管理のうち、IT機器の調達から廃棄までのライフサイクルをアウトソーシングするLCMというサービスもあります。
ITアウトソーシングを活用するメリット

ITアウトソーシングを活用するメリットには、以下が挙げられます。
- IT技術の変化に対応しやすくなる
- コア業務に集中して取り組める
- 業務品質の向上が期待できる
それぞれの内容を解説します。
IT技術の変化に対応しやすくなる
ITアウトソーシングを活用することで、IT技術の変化に対応しやすくなります。ITの知識が豊富な専門家に業務を委託できるからです。
IT分野は技術のトレンドの変化が早いため、自社で最新のスキルや知識を習得して、業務のアップデートを続けるのは大きな負担になるでしょう。自社のIT人材が不足していると、対応が困難になる場合があります。
たとえば、OSやセキュリティソフトのアップデートによって新機能が追加されても、社内に詳しい人材がいなければ、その機能を十分に活用できません。また、生成AIのような最新技術の知見がないことで、導入が進まないケースも多く見られます。
専門性の高い人材を抱える外部の企業に委託すれば、新しいIT技術をスムーズに導入できるでしょう。
コア業務に集中して取り組める
自社の従業員がコア業務に集中して取り組めることも、ITアウトソーシングを活用するメリットです。
システムの保守やヘルプデスクなど、システム部門の担当者が多くの時間を費やしているノンコア業務を外部に任せられます。このようなノンコア業務は、企業の主要な収益を生み出すものではないため、必要な業務ではあるものの多くの時間を費やすのは望ましくありません。
社内の貴重なリソースをシステム開発やサービス企画などのコア業務に回せれば、企業の生産性向上につながります。
業務品質の向上が期待できる
ITアウトソーシングを活用すれば、IT関連業務の品質向上が期待できます。ITアウトソーシングサービスを提供する企業は、豊富な経験やノウハウ、標準化された業務プロセスをもっていることが多いためです。
たとえばサーバーやネットワークの管理を自社で対応する場合、担当者の経験が不足していると障害が発生した際の対応に時間がかかる可能性があります。担当者が少ないと24時間の監視が難しく、発見が遅れることもあるでしょう。
ITアウトソーシングを利用することでシステムの監視を外部に任せられ、24時間体制での監視や障害発生時の迅速な対応が期待できます。
今は自社内で完結できている業務も、ITアウトソーシングによって品質の向上を目指せます。
ITアウトソーシングを活用する際の注意点

ITアウトソーシングを活用する際は、以下の点に注意しましょう。
- 自社に経験やノウハウが蓄積されにくくなる
- 費用対効果が見合わない可能性がある
- 情報漏えいのリスクがある
それぞれの注意点を解説します。
自社に経験やノウハウが蓄積されにくくなる
IT関連業務を長期間にわたり外部に任せ続けると、委託した業務に関する経験やノウハウが、自社内に蓄積されにくくなる点に注意が必要です。将来的に自社で業務を内製化したいと考えたときに、社内に必要なスキルやノウハウをもった人材が不足している状況になる可能性があります。
IT関連業務を委託する場合は、委託先から定期的に詳細な報告を受けたり、業務マニュアルの整備・共有をしてもらったりするなど、ノウハウの空洞化を防ぐための対策を講じるとよいでしょう。
費用対効果が見合わない可能性がある
自社の課題を明確化せずにITアウトソーシングを活用しても、費用対効果が見合わない可能性があります。課題のない部分やボトルネックになっていない部分までアウトソーシングすると、必要のないコストがかかるからです。
たとえば一口に「IT資産管理に課題がある」といっても、ボトルネックになる部分はさまざまです。人員増加に伴いIT機器の導入や更新・入替に手が回らないことが問題なのであれば、IT資産管理を全てアウトソーシングせずとも、LCMサービスで十分に対応できます。
ITアウトソーシングを利用する際には、依頼コストと得られる効果を比較し、業者にどこまで業務を委託するかを検討しましょう。
情報漏えいのリスクがある
委託先に機密情報を共有する際は、情報漏えいのリスクに十分注意が必要です。万が一情報が流出すれば自社の信頼低下を招いたり、重大な責任を問われたりする可能性があります。
リスクを最小限に抑えるためには、委託先のセキュリティ体制を事前に確認し、契約時に情報管理に関する取り決めを明確にしておくことが重要です。
ITアウトソーシングにおける「LCM」という選択肢について

IT機器の調達・導入・運用の部分に課題を抱えているならば、LCMサービスの活用もおすすめです。LCMサービスとは、IT機器の調達から運用・廃棄まですべてを代行するアウトソーシングサービスです。
PCの調達や必要なソフトウェアのインストール、利用中のトラブル対応、リプレイス時のデータ消去やデバイスの廃棄まで、IT資産に関連する業務をまとめて委託できます。
自社でIT資産を管理する場合、保有するIT機器の台数が増えるほど情報システム部門に大きな負担がかかるでしょう。LCMサービスを活用することで、IT資産管理にかかる手間やコストを削減でき、情報システム担当者の負担軽減になります。
セキュリティの強化やIT資産情報の正確な把握にもつながるため、自社の課題状況に応じてLCMサービスの活用も選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。
\IT機器のライフサイクルを包括的にサポート/
ITアウトソーシングを活用して自社の負担を減らそう

IT関連業務をアウトソーシングすることで、従業員がコア業務に集中して取り組めます。また、専門知識と豊富なノウハウをもつ企業に依頼すれば、業務品質の向上も期待できます。
ただし、自社の課題を明確化せずに業務すべてをアウトソーシングすると、無駄なコストがかかる可能性があるため注意しましょう。課題解決に適したITアウトソーシングを選択して、自社の負担を減らしましょう。
自社のIT機器の調達・導入・運用の部分をアウトソーシングしたい場合は、SBフレームワークスにお任せください。IT機器の調達から廃棄までを包括的にサポートするLCMサービスを提供しています。機器故障などのトラブルにも迅速に対応いたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。
\IT機器のライフサイクルを包括的にサポート/
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玉橋 丈児
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