社用携帯を支給するメリットは?注意点や導入する際に実施すべきことを解説

監修者プロフィール

SBフレームワークス マーケティング/広報
玉橋 丈児
物流×輸配送×テクニカルソリューションで、お客様の課題解決を目指すSBフレームワークスのマーケティング担当。テクニカルソリューション分野での実務経験を活かして、弊社のサービスや、業界の話題などを解説いたします。物流技術管理士補。
社会のデジタル化が進む中で、社用携帯を従業員に支給する企業が増えています。業務用の端末を企業で用意することで、セキュリティ管理を一元化しやすくなり、従業員のプライバシー保護にもつながります。
一方で、私的利用や紛失による顧客情報や業務データの漏えいのリスクなどもあるため、適切な対処方法を把握しておくことが重要です。
本記事では、社用携帯を支給するメリットや注意点、導入する際に実施すべきことを解説します。
社用携帯の導入を検討している場合は、SBフレームワークスにご相談ください。業務用スマートフォンの調達から廃棄までを包括的にサポートするLCMサービスを提供しています。調達や設定など一部のみの請負も可能なため、まずはお気軽にお問い合わせください。
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目次
社用携帯を支給するメリット

社用携帯を支給するメリットには、以下が挙げられます。
- 生産性の向上が期待できる
- セキュリティ対策が施せる
- 従業員のプライバシー保護につながる
それぞれの詳細を解説します。
生産性の向上が期待できる
社用携帯を支給することで、生産性の向上が期待できます。外出先でもメール確認や資料閲覧が可能になり、移動時間や隙間時間の有効活用につながるからです。仕事の連絡が社用携帯に集約されることで、社内や取引先との連絡もスムーズになり、対応のスピードが向上します。
また、通信費を一括で管理できるため、個人用携帯を業務で使う際に必要な経費申請や精算作業が不要になり、経理業務の効率化も図れます。
セキュリティ対策を施せる
社用携帯を支給することで、企業が統一したセキュリティ対策を実施できるようになります。
個人用携帯を業務で利用する場合、セキュリティ対策は従業員任せとなるため、設定不備や未対策のまま業務を行うリスクがあります。そのため、ウイルス感染や情報漏えいなどのセキュリティリスクが高まるでしょう。
一方、社用携帯であればセキュリティソフトの導入やアプリの利用制限など、必要なセキュリティ対策を企業主導で統一的に実施できます。
また、セキュリティ対策としてMDM(モバイルデバイス管理)も導入できます。MDMとは、スマートフォンやタブレットなどの携帯端末を一元的に管理するシステムやツールです。
MDMを導入することで端末の一括管理や遠隔ロック、データ消去が可能になり、万が一の紛失時にも被害を最小限に抑えられます。
従業員のプライバシー保護につながる
社用携帯を支給することで、従業員のプライバシー保護にもつながります。個人用携帯を業務で使用する必要がなくなることで、仕事とプライベートの区別を明確にできるためです。取引先に個人の電話番号を伝える必要がなくなり、情報流出などのトラブルを回避できます。
また、業務時間外や休日に個人用携帯へ連絡が入ることがなくなり、従業員のストレス軽減にも寄与するでしょう。結果として従業員のワークライフバランスが改善され、モチベーションの向上や離職率の低下が期待できます。
社用携帯を支給する際の注意点

社用携帯を支給する際には、以下の点に注意が必要です。
- 従業員が私的に利用する可能性がある
- 紛失の際のリスク管理が必要となる
- 導入と管理に費用がかかる
それぞれの注意点を解説します。
従業員が私的に利用する可能性がある
社用携帯は、従業員が私的に利用する可能性がある点に注意が必要です。SNSやゲーム、私的な通話など業務に関係のない使用が増えると、通信費がかさむ要因となるからです。結果として、本来経費として計上できない私的利用の通信費が、会社経費に含まれる恐れがあります。
また、不適切なWebサイトにアクセスすることでウイルスに感染し、セキュリティ事故につながるリスクもあります。
こうした従業員の私的利用を防ぐためには、アクセス制限の設定や、MDMを活用した利用管理の対策が欠かせません。
紛失の際のリスク管理が必要となる
従業員が社用携帯を紛失するリスクがある点にも注意しましょう。万が一紛失した場合、顧客情報や業務データの漏えいにより、企業の信用が損なわれる可能性があります。
このようなリスクに備え、遠隔操作での端末ロックやデータ消去が行える管理体制を整えることが重要です。あわせて、紛失時には速やかに報告するよう、ルールを明確化し従業員へルールを周知することも欠かせません。
導入と管理に費用がかかる
社用携帯の導入には端末購入費だけでなく、通信費や管理費などの継続的な費用が発生します。従業員数が多い企業では、費用負担が大きくなる傾向にあります。
また、故障時の修理費用や紛失時の再購入費用も想定しておく必要があります。導入前に費用の総額を明確にし、費用対効果を検討することが重要です。
社用携帯の使用状況は把握できる?

社用携帯において企業が把握できる・できない範囲は、以下のとおりです。
把握できる範囲 | 把握できない範囲 |
・通信料や通話料 ・通話履歴 ・オフィス内のWi-Fi接続時の閲覧履歴 ・GPSによる位置情報 ・インストールしているアプリ | ・メールの履歴 ・LINEなどのチャットアプリの履歴 ・インターネットの利用履歴 ・画像や動画、ドキュメントなどのファイルの内容 |
企業は、毎月の利用明細から通信料や通話料を確認できます。MDMを導入すれば、位置情報やインストールしているアプリ情報の把握も可能です。
社用携帯を導入する際に準備すべきこと

社用携帯の導入にあたっては、トラブルを未然に防止するための準備が欠かせません。導入する際には、以下のような準備を行いましょう。
- 利用のルールを定める
- 社内の管理体制を整える
それぞれの内容を解説します。
利用のルールを定める
社用携帯を導入する際は、従業員による私的利用の防止や情報管理を徹底するために、あらかじめ利用のルールを定め、就業規則に明記しておく必要があります。ルールが曖昧なままだと、私的な利用による通信費の増加や情報漏えいのリスクが高まるからです。
具体的には、以下のようなルールを定めるとよいでしょう。
- 指定された業務用アプリのみを使用する
- SNSの閲覧や動画視聴など、私的な利用を禁止する
- 緊急時を除き、業務時間外の利用を控える
- 紛失時に速やかに報告する
ルールを定める際には、各通信キャリアの法人窓口に相談して、機能制限が可能な範囲や制限方法を確認しましょう。決定したルールは明文化し、従業員に周知・徹底することが重要です。
社内の管理体制を整える
社用携帯をスムーズに運用するためには、社内の管理体制を整えることも重要です。トラブル発生時や問い合わせに迅速に対応できるよう、担当部署や責任者をあらかじめ明確にしておきましょう。
また、導入時には「キッティング」と呼ばれる作業が必要になります。キッティングとは、端末を業務で使用できる状態にする初期設定作業です。ネットワークの設定やセキュリティ対策の実施などもキッティングに含まれます。
導入台数が多い場合、キッティングに時間がかかることもあるため、事前に作業内容を把握し、スケジュールに余裕をもって準備を進めることが大切です。
社用携帯の導入はアウトソーシングもできる

社用携帯の導入台数が多い場合や社内に十分なリソースを確保できない場合は、アウトソーシングサービスの利用を検討するとよいでしょう。
とくにキッティングは、機種ごとに対応が必要となるため、時間がかかります。こうした作業を外部に依頼することで、総務部門やシステム担当者の負担を大幅に軽減できます。
また、導入後の端末管理に不安がある場合は、LCM(ライフサイクルマネジメント)サービスの活用もおすすめです。LCMサービスとは、スマホやPCなどのIT機器の調達から運用・保守、廃棄までを一括してサポートするアウトソーシングサービスです。
社用携帯のキッティングはもちろん、端末の在庫管理や故障時の対応、ソフトウェアの更新なども任せられ、社内のIT運用を効率化できます。
LCMサービスを活用したい場合は、SBフレームワークスにお任せください。IT機器に精通した専門家が、お客様の悩みに合わせた適切なプランをご提案します。機器の導入から廃棄時のデータ消去まで対応しているため、社用携帯の導入に悩んでいる場合は、お気軽にお問い合わせください。
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社用携帯の導入にまつわるよくある質問

社用携帯を導入する際に気になる点は多岐にわたるでしょう。ここでは企業の担当者が抱えがちな疑問とその回答について解説します。
Q.社用携帯を休日も従業員に持たせて大丈夫ですか?
一定のルールを定めていれば問題ありません。ただし、業務時間外の連絡対応は労働基準法違反になる可能性があるため、運用には注意が必要です。
労働基準法第37条では、休日に労働させた場合に割増賃金を支払わなければならないと定められています(※1)。休日に業務連絡に対応した場合、それは労働時間と見なされるため、賃金の支払いや代休の付与などの対応が必要です。
トラブルを避けるためにも、休日における使用ルールと、対応した際の手当てについて事前に明文化しておきましょう。
※1 参考:デジタル庁「労働基準法」
Q.従業員が社用携帯を持ちたくないと反対した場合はどうすればいいですか?
従業員が社用携帯の所持に反対する場合は、まず懸念や不安の理由を丁寧にヒアリングしましょう。よくある不安としては「プライバシーが守られない」「業務時間外にも連絡がくるのでは」などが挙げられます。
これらに対して、社用携帯の導入目的や運用ルールを従業員に明確に伝えましょう。私的利用の制限や勤務時間外の対応義務がない旨を丁寧に説明することで、従業員からの理解が得られやすくなります。
Q.従業員による社用携帯の私的利用はすぐにわかりますか?
完全に把握することは難しいですが、一定の兆候から私的利用を推測できます。たとえば、業務時間外のデータ通信量が多かったり、業務に無関係なアプリのインストールが確認されたりした場合、私的利用の可能性があります。
ただし、通信の内容までは確認できないため、ルールの整備と従業員への周知を徹底することで、未然防止を図ることが重要です。
Q.社用携帯を私的利用した従業員にはどのような対処・処罰が適切ですか?
私的利用の程度に応じて、適切な対応を取ることが求められます。軽度な使用であれば、注意喚起や始末書の提出で済ませるケースが多いでしょう。
一方で、業務妨害や情報漏えいのリスクがある場合には、減給や懲戒処分など厳しい措置を検討する必要があります。就業規則に違反行為と対応内容(罰則)を明記し、事前に従業員に周知しておきましょう。
社用携帯を導入して生産性を向上させよう

社用携帯の導入には、生産性の向上やセキュリティ対策の強化などのメリットがあります。ただし、導入と管理には一定の費用がかかるため、事前に費用対効果を検討する必要があります。
また、導入後のトラブルを未然に防ぐためには、利用のルールを明確化して社内の管理体制を整えることが重要です。導入の際に運用のポイントをしっかりと押さえれば、導入効果を最大限に引き出せます。社用携帯を活用して、業務の効率化を図りましょう。
社用携帯の導入に関してお悩みの場合は、SBフレームワークスにご相談ください。導入時のセキュリティ対策や端末情報の管理なども含めて包括的にサポートいたします。故障などの急なトラブルにも迅速に対応いたしますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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