コラム
SBフレームワークス株式会社 > コラム > ロジスティクスのコラム > ロジスティクスとは?物流との違いや効果的に機能させる方法をわかりやすく解説

ロジスティクスとは?物流との違いや効果的に機能させる方法をわかりやすく解説

ロジスティクス
更新日:
投稿日:
  • fabebook
  • hatena bookmark
  • x
  • line
ロジスティクスとは

監修者プロフィール

玉橋丈児

SBフレームワークス マーケティング/広報

玉橋 丈児

物流×輸配送×テクニカルソリューションで、お客様の課題解決を目指すSBフレームワークスのマーケティング担当。テクニカルソリューション分野での実務経験を活かして、弊社のサービスや、業界の話題などを解説いたします。物流技術管理士補。

ロジスティクスは物流と同義語と思われがちですが、実は違う概念を指す言葉です。ロジスティクスと物流の違いがよくわからない方もいるのではないでしょうか。

ロジスティクスとは、商品の生産・調達から販売に至るまでを一括管理する仕組みです。

この記事では、ロジスティクスと物流の違いやロジスティクスを効果的に機能させるためのポイントについて解説します。

「ロジスティクスを最適化したいけど、何から始めたらよいのかわからない」という場合は、SBフレームワークスにご相談ください。弊社ではソフトバンクグループの数々のサービスを物流面で30年以上支えてきた実績と経験から、ロジスティクスの最適化に向けたご提案が可能です。

ロジスティクスと物流の違い

ロジスティクスと物流の違い

ロジスティクスと物流の違いは、下表のとおりです。物流はロジスティクスに含まれる一つの要素といえます。

ロジスティクス商品の生産・調達や在庫管理、配送、返品処理などを一元管理する仕組み
物流商品が顧客の手元に届くまでの一連の流れ

ロジスティクスと物流についてそれぞれ詳しく解説します。

ロジスティクスとは

ロジスティクスとは、商品やサービスを効率的かつ効果的に顧客に届けるために、原材料や商品の調達から商品の販売、配送に至るまでの一連の流れを一元管理する仕組みです。

ロジスティクスを最適化することで、需要の変化に速やかに対応して不良在庫や欠品を減らせるため、コストの削減につながります。

元来、ロジスティクスとは軍事用語で「兵站(へいたん)」を意味し、作戦を遂行する部隊に必要な物資や設備を適切に配備する後方支援活動全般のことです。戦争においては、ロジスティクスの破綻が敗北を意味することを歴史が証明しています。

ビジネスにおいてもロジスティクスがうまく機能しなければ、商品を生産するタイミングや物流業務が最適化されず、過剰在庫や商品の出荷遅延につながってしまうでしょう。

また災害時にも、ロジスティクスは極めて重要です。被災者が求める支援物資を適切なタイミングで適切な量だけ届けることは、ロジスティクスの重要な使命です。必要な物資が中継地点に滞留して被災地に届かなかったり、要らない物が大量に届いたりする場合は、ロジスティクスに問題があります。

物流とは

物流とは、商品が顧客の手元に届くまでの流れを指します。物流には、以下の6つの工程があります。

積み付け/積み下ろし鉄道やトラックなどの輸送手段に、荷物の積み込みや荷降ろしを行う
保管商品を倉庫などで保管する
ピッキング指定された商品を倉庫などの棚から集める
梱包・包装(流通加工)衝撃や汚れから商品を保護するために包装したり、適切な容器に入れたりする
入出庫管理入出庫する商品の数量や入出庫した日付を管理する
配送・輸送商品を顧客に届ける
・配送:近距離で小口の物を移動すること
・輸送:物流センター間など、長距離かつ多量の物を移動すること

物流を効率化するだけでは商品の生産・調達量が足りずに欠品してしまったり、不良在庫を抱えてしまったりすることがあります。

商品を効率よく顧客の手元に届けるためには、ロジスティクスの考え方を導入して商品の生産・調達段階から管理し、生産・保管・配送の流れを最適化することが大切です。

ロジスティクスの目的

ロジスティクスには、以下の目的があります。

  • 物流の効率化
  • 適切な在庫管理
  • コスト削減
  • 顧客満足度の向上
  • 営業部門の負担軽減
  • 環境負荷の軽減

それぞれの目的について解説します。

物流の効率化

ロジスティクスの目的の一つは物流を効率化することです。商品の生産・調達量や在庫量を適正化して在庫の回転率を改善することで、物流コストの削減や物流業務の効率化を実現できます。

また、配送手段や配送ルートの改善など、物流業務の全体の流れを見直すことで無駄のない輸送計画を立てられます。

適切な在庫管理

適切な在庫管理もロジスティクスの目的の一つです。ロジスティクスの考え方を導入することで、市場のニーズをリアルタイムで把握できるようになれば、そのニーズに合わせて商品の生産・調達量や在庫を適切に調整できます

倉庫に十分な量の在庫を確保できていなければ、顧客が求めるタイミングで商品を提供できません。逆に過剰に在庫を抱えてしまうと保管コストがかかってしまいます。

顧客のニーズが著しく変化する現代において、ロジスティクスの考え方を導入することで需給のバランスを把握し、在庫を適正化することは重要です。

コスト削減

コストを削減することもロジスティクスの目的の一つです。倉庫に在庫を保管しておくためには、倉庫を管理するための人件費や光熱費、保管スペースを確保するためのコストがかかります。

ロジスティクスの考え方を導入して需給のバランスを把握できるようになれば、商品を過不足なく生産・調達でき、過剰在庫の保管コストの削減につながります

また、倉庫業務の自動化による人件費の削減や、輸送計画の見直しによる輸送コストの削減なども期待できるでしょう。

顧客満足度の向上

ロジスティクスの目的として顧客満足度の向上があります。顧客満足度向上のためには、顧客が商品を欲しいと思ったタイミングで速やかに提供できることが重要です。

需要に見合った供給がなされていなかったり、顧客が欲しいタイミングで商品が流通していなかったりすると、欠品や配送遅延につながり顧客満足度が下がってしまいます。

ロジスティックスの考え方を導入することにより、市場のニーズに合わせて商品を生産・調達できれば、機会損失を防ぎ、顧客に速やかに商品を届けられるため、顧客満足度の向上につながります。

営業部門の負担軽減

ロジスティクスは、営業部門の負担軽減にもつながります。ロジスティクスが確立されていない企業では、営業部門が在庫管理をしている場合もあります。在庫管理に多くのリソースがかかると本業である営業活動に集中できなくなるでしょう。

一方、ロジスティクスが確立した企業では、専門部署が在庫管理と出荷量・売上などのデータの作成を担います。営業部門は専門部署が作成した過去のデータを活用して営業戦略を立てられるため、効率的な営業活動につながります。

環境負荷の軽減

環境負荷の軽減もロジスティクスの目的の一つです。ロジスティクスによる環境負荷の軽減の例として以下のものがあります。

  • 配送ルートや積載方法を見直し、配送するトラックの台数を減らすことで二酸化炭素の排出量を削減する
  • 配送方法をトラックからフェリーや鉄道に切り替えるという、いわゆるモーダルシフトにより、二酸化炭素の排出量を減らす
  • 在庫を適正化し過剰在庫の廃棄を減らす

二酸化炭素や廃棄物の削減は、日本のみならず世界が抱えている社会課題の一つです。社会を構成する一員である企業にとって、環境に配慮した物流の実現は重要です。

ロジスティクスを効果的に機能させるためのポイント

ロジスティクスを効果的に機能させるために、以下のことを意識しましょう。

  • 取扱い商品の販売傾向を把握する
  • 在庫データをリアルタイムで把握する
  • 物流プロセスの各データを連携する

それぞれの内容について詳しく解説します。

取扱い商品の販売傾向を把握する

ロジスティクスを効果的に機能させるには、取扱い商品の販売傾向を客観的に分析し、生産・調達すべき商品を見極めることが重要です。取扱い商品の販売傾向を把握するためには、顧客の注文内容や商品の在庫状況などをリアルタイムで把握する必要があります。

取扱い商品の販売傾向を把握できたら、人気商品の生産・調達量を増やしたり、倉庫での配置を工夫したりして、効率的に顧客に届けられる仕組みを構築するとよいでしょう。

在庫データをリアルタイムで把握する

ロジスティクスを最適化するためには、在庫データをリアルタイムで把握する必要があります。保管、配送、流通加工、荷役の物流の流れの中で、個々の商品がロジスティクスのどのプロセスに何個あるのかを把握する仕組みを構築するとよいでしょう。

在庫データをリアルタイムで把握できると、在庫状況や輸送に必要な日数がわかります。把握した在庫データをもとに在庫や輸送方法を適正化することで、コスト削減や物流の効率化につながります。

物流プロセスの各データを連携する

ロジスティクスでは、以下のような物流プロセスの各データを連携することが重要です。

  • 商品の生産・調達量
  • 入出庫
  • 輸送(トラックの運行記録など)
  • 在庫数
  • 販売量

物流プロセスの各データを連携して分析することで、生産・調達した商品を顧客が求めるタイミングで提供できます

ロジスティクスとSCM(サプライチェーンマネジメント)の違い

ロジスティクスとSCM(サプライチェーンマネジメント)は、対象とする範囲が異なります。

対象とする範囲
ロジスティクス企業内
SCM製品やサービスが最終顧客に届くまでの流れに関わるすべての企業や関係者

ロジスティクスは、自社の商品の生産・調達や在庫管理、配送、返品処理などを管理する仕組みです。

一方、SCMでは自社だけでなく、供給網に関わるメーカーや小売業者、運送業者など、すべての企業を対象とします。SCMにより商品の生産から販売までを管理して最適化することで、商品を適切なタイミングで、適切な量を、最適なコストで顧客に届けることが可能になります。

SCMについては、以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてください。

ロジスティクスを理解して業務を効率化しよう

ロジスティクスは、商品の生産・調達から配送までを一元管理する仕組みです。

需要の変化が著しい現代においては、ロジスティクスの考え方を導入し商品を生産・調達する過程から管理して、物流コストの削減に取り組むことが大切です。

ロジスティクスを理解して、物流業務を効率化していきましょう。

ロジスティクスを効果的に機能させることに関心がある場合は、SBフレームワークスにご相談ください。弊社では物流管理システムやBtoC向け・BtoB向け両対応の倉庫システムを保有しており、ロジスティクスの最適化に向けたご提案が可能です。

監修者プロフィール

玉橋丈児

SBフレームワークス マーケティング/広報

玉橋 丈児

物流×輸配送×テクニカルソリューションで、お客様の課題解決を目指すSBフレームワークスのマーケティング担当。テクニカルソリューション分野での実務経験を活かして、弊社のサービスや、業界の話題などを解説いたします。物流技術管理士補。

まずはお気軽にご相談ください

サービスの詳細について資料をご用意しております。社内での検討などにご活用ください。

サービスの詳細や料金へのご質問、商談のお申し込みや、お見積りのご相談は、こちらよりお問い合わせください。