テールゲートリフターとは?操作に資格は必要?特別教育の内容や免除要件、罰則も紹介
監修者プロフィール

SBフレームワークス マーケティング/広報
玉橋 丈児
物流×輸配送×テクニカルソリューションで、お客様の課題解決を目指すSBフレームワークスのマーケティング担当。テクニカルソリューション分野での実務経験を活かして、弊社のサービスや、業界の話題などを解説いたします。物流技術管理士補。
テールゲートリフターは、トラックの後部に取り付けられた昇降装置で、荷物の積み下ろしを安全かつ効率的に行うために用いられます。荷役作業の効率化を図れることから、多くの物流現場で活用されています。
2024年2月1日からテールゲートリフターの操作者に対して、特別教育が義務化されました。事業者は学科4時間・実技2時間の教育実施と、3年間の記録保存を行わなければなりません。そのため、特別教育の講義内容や受講方法などを理解しておく必要があります。
本記事では、テールゲートリフターの基本から、特別教育の内容や免除要件までわかりやすく解説します。
目次
テールゲートリフターとは

テールゲートリフターとは、トラックの荷台後部に装着された、荷物を昇降させるための装置です。
フォークリフトが入りにくい場所や、ドライバーが単独で荷役を行う場面でも活用しやすく、持ち上げ・担ぎ上げなどの人力作業が減ることで、転倒・転落リスクや身体負担の低減につながります。
テールゲートリフターの種類

テールゲートリフターは構造により複数の方式があり、積み下ろしする荷物の重さ・形状、設置環境(段差・勾配)、作業スペースによって向き不向きがあります。ここでは、以下の代表的な4種類の特徴や注意点を解説します。
- 垂直式
- アーム式
- 跳ね上げ式
- 床下格納式
垂直式
垂直式のテールゲートリフターとは、トラックの荷台後部の左右に設置された、縦方向のレールに沿って昇降板が上下に動く方式のリフターです。昇降時の揺れが少なく安定性に優れており、以下のような重量のある荷物の積み下ろしに適しています。
- ガスボンベ
- ドラム缶
- 大型家具など
垂直式は昇降板の角度調整ができないため、勾配や段差がある場所では台車の移動がしにくく、補助作業が発生しやすい点に注意が必要です。
アーム式
アーム式のテールゲートリフターとは、トラックの荷台後部に取り付けられたアームで昇降板を支え、円を描くような軌道で上下に動く方式のリフターです。昇降板を斜めにできるため、以下のような荷物の積み下ろしに適しています。
- キャスター付きの台車に載せた大型家電
- バイク
- 日用品が積まれたパレットなど
アーム式は作動時に昇降板が揺れやすいため、重量のある荷物や背の高い荷物などを積み下ろしする際は注意が必要です。
跳ね上げ式
跳ね上げ式のテールゲートリフターとは、トラックの後部扉と昇降板が一体になったリフターです。昇降板の面積が大きく、大型荷物や複数の荷物を一度にまとめて積み下ろしできます。
ただし、後部扉を開閉する際は昇降板を動かさなければならないため、十分な作業スペースがないと荷物の取り出しに手間がかかります。
床下格納式
床下格納式のテールゲートリフターとは、昇降板を車体下部に格納でき必要なときだけ展開する方式のリフターです。使用しないときは後部の作業スペースを確保しやすく、狭い場所でも作業導線を作りやすい点がメリットです。
ただし、昇降板が路面に近い位置にある構造上、泥・水・融雪剤などの影響を受けやすいため作動不良を防ぐために定期的な点検・清掃を行いましょう。
テールゲートリフターの操作に資格は必要?特別教育の義務化について

テールゲートリフターの操作に、国家資格や免許は不要です。ただし、荷の積み卸し作業におけるテールゲートリフターの操作は、2024年2月1日から特別教育が義務化されています。ここでいう「操作」には、稼働スイッチの操作に加え、キャスターストッパー等の操作や昇降板の展開・格納なども含まれます。
以前までは誰でもテールゲートリフターの操作を行えましたが、2024年2月からテールゲートリフターを操作する従業員に対する特別教育が義務化されました。特別教育の義務化に至った理由は、テールゲートリフター操作時に転倒や転落などの労災が多く発生していたからです。
また、特別教育の実施後、事業主は受講者や科目などの記録を作成し、3年間保管しなければなりません。記録簿の様式は法律で定められていませんが、以下のような項目を記載しておくと、従業員が受講した時期や内容などを明確にできます。
- 受講者の氏名
- 受講場所
- 受講日時
- 講師名
- 受講科目と実技
- 事業者の名称
記録簿のひな形は、陸上貨物運送事業労働災害防止協会や各都道府県のトラック協会のホームページからダウンロードできます。必要に応じて活用するとよいでしょう。
参考:厚生労働省「トラックでの荷役作業時における安全対策が強化されます。」
テールゲートリフターの特別教育の内容

テールゲートリフターの特別教育には、学科と実技があります。学科の受講時間は合計4時間で、講義内容は以下のとおりです。
| 学科の科目 | 講義内容 | 受講時間 |
| テールゲートリフターに関する知識 | ・テールゲートリフターの種類 ・テールゲートリフターの構造と取扱方法 ・テールゲートリフターの点検および整備方法 | 1時間30分 |
| テールゲートリフターによる作業に関する知識 | ・取り扱う荷物の種類 ・荷物取扱方法 ・台車の種類、構造、取り扱い方法 ・保護具の着用 ・災害防止対策 | 2時間 |
| 関係法令 | ・労働安全衛生法令中の関係条項 | 30分 |
実技の受講時間は合計2時間で、講義内容は以下のとおりです。
| 実技の科目 | 講義内容 | 受講時間 |
| テールゲートリフターの操作の方法 | ・稼働スイッチの操作 ・キャスターストッパーの操作 ・昇降板の展開 ・昇降板を格納する操作方法 | 2時間 |
学科と実技の両方を受講し、テールゲートリフターを安全に操作するための知識と技術を身につけます。
参考:厚生労働省「トラックでの荷役作業時における安全対策が強化されます。」
テールゲートリフターの特別教育の対象者
テールゲートリフターの特別教育の対象者は、荷を積み卸す作業を伴うテールゲートリフターの操作を行う従業員です。以下の作業を行う従業員は、特別教育の対象になります。
- テールゲートリフターの稼働スイッチの操作
- キャスターストッパーの操作
- 昇降板の展開
- 昇降板の格納
テールゲートリフターを使って荷物を積み込むだけで実際に操作しない従業員は、特別教育の受講義務はありませんが、労災防止の観点からできる限り受講させるのが望ましいとされています。
参考:労働基準監督署「労働安全衛生規則等の一部改正のポイント」
テールゲートリフターの特別教育が免除される要件

テールゲートリフターの特別教育が免除される要件は、テールゲートリフターの操作の従事歴や、荷役作業に関する安全対策講習会の受講歴によって異なります。免除対象者と免除科目は、以下のとおりです。
| 免除対象者 | 免除科目 |
| 2024年2月時点でテールゲートリフターの操作が6ヶ月以上ある者 | ・テールゲートリフターに関する知識の科目を一部免除 ・テールゲートリフターの操作方法に関する科目を一部免除 |
| 荷役作業の安全対策ガイドラインにもとづく教育を実施した受講者 | ・テールゲートリフターに関する知識の科目 ・テールゲートリフターによる作業に関する知識の科目 |
| 「ロールボックスパレットおよびテールゲートリフター等による荷役作業安全講習会」の受講者 | ・テールゲートリフターによる作業に関する知識の科目 |
科目受講の免除を受けるには、実務経験を証明できる書類の提出が必要です。講習する機関によって必要書類が異なるため、受講前に確認しておきましょう。
参考:厚生労働省「トラックでの荷役作業時における安全対策が強化されます。」
テールゲートリフター特別教育はどこで受けられる?

テールゲートリフターの特別教育の受講方法は、以下のとおりです。
- 外部機関で受講
- 社内に講師を招いて受講
- オンラインで受講
| 受講方法 | 向いている企業 | 注意点 |
|---|---|---|
| 外部機関で受講 | ・社内で特別教育を実施する体制の整備が難しい ・特別教育の準備や運営にかかる負担を軽減したい | ・日程が固定されている |
| 社内に講師を招いて受講 | ・受講対象者が多い ・自社が保有する車両を用いて実技を実施したい | ・宿泊費や交通費が別途かかる |
| オンラインで受講 | ・近隣に外部機関の講習会場がない ・従業員の都合に合わせて特別教育を実施したい | ・実技講習は対面で受講しなければならない |
それぞれの受講方法を解説します。
外部機関で受講
テールゲートリフターの特別教育は、外部機関での受講が一般的です。社内で特別教育を実施する体制の整備が困難な場合や、特別教育の準備・運営にかかる負担を軽減したい場合は、外部機関での受講が向いています。
テールゲートリフターの講習は、以下のような機関や教習所で受講できます。
- 各地の労働基準協会(例:東京労働基準協会連合会)
- 陸上貨物運送事業労働災害防止協会
- 民間の教習所
申し込み前に、以下の点を確認しておきましょう。
- 学科・実技が同日か別日か
- 実技の実施場所
- 修了証の交付
- 受講後の記録作成サポートの有無
社内に講師を招いて受講
社内に講師を招いてテールゲートリフターの特別教育を実施する方法もあります。受講対象者が多い場合は、社内に講師を招くことで一度に講習を行えるため効率的です。
また、自社が保有する車両を用いて実技を実施でき、実用的な操作手順や注意点などを学べる点もメリットです。
テールゲートリフターの出張講習は、以下のような機関に依頼できます。
- 安全衛生マネジメント協会
- 労働技能講習協会
- 民間の教習所
社内に講師を招く際は、宿泊費や交通費が別途かかる場合があります。他の受講方法での費用と比較し、自社に適した方法を検討しましょう。
オンラインで受講
テールゲートリフターの特別教育は、学科に限りオンライン講習での受講が可能です。PCやスマートフォンなどから講義動画を視聴できるため、近隣に外部機関の講習会場がない企業や、従業員の都合に合わせて特別教育を実施したい企業に向いています。
実技講習は対面で受講しなければならないため、学科とは別日程で受講するケースが一般的です。オンライン講習を選ぶ際は、実技の日程調整のしやすさも含めて確認し、自社の状況に合うかを判断しましょう。
テールゲートリフターの特別教育を受講させなかった場合の罰則

従業員にテールゲートリフターの特別教育を受けさせずに操作させた場合、事業者には6ヶ月以下の懲役もしくは50万円以下の罰金が科されます。また、テールゲートリフターの特別教育の記録を3年間保存しなかった場合は、事業者に対して50万円以下の罰金が科されます。
荷役作業による労災を防ぐためにも、テールゲートリフターの特別教育を従業員に必ず受講させましょう。
参考:デジタル庁「労働安全衛生法」
テールゲートリフターの特別教育を従業員に受講させ、安全な作業環境を構築しよう

テールゲートリフターとは、トラック後部に装備された、荷物を安全に昇降させるための装置です。荷役作業時の身体的負担を軽減するために、物流や建設など荷役作業を伴うさまざまな業界で使用されています。荷役作業の省力化に役立つ一方、操作手順や危険性の理解が不十分だと転倒・転落などのリスクが高まります。
そのため事業者は、テールゲートリフターの操作に該当する業務範囲を明確にしたうえで、当該作業者に対して特別教育を実施し、その記録を3年間保存する体制を整える必要があります。
受講は外部機関・出張講習・オンライン(学科)受講から選択可能です。自社の人数や車両・実技環境に合わせて最適な方法で特別教育を進め、従業員が安全に作業できる環境を構築しましょう。
最後に、事業者が今すぐ確認すべきポイントは以下です。
- テールゲートリフターを操作する従業員は誰か
- 特別教育を受講させたか
- 記録を3年間保存しているか
- 免除要件を正しく判断しているか
監修者プロフィール

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玉橋 丈児
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