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荷主とは?定義や発生する責任、求められる取り組みをわかりやすく解説

物流
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荷主とは?定義や発生する責任、求められる取り組みをわかりやすく解説

監修者プロフィール

玉橋丈児

SBフレームワークス マーケティング/広報

玉橋 丈児

物流×輸配送×テクニカルソリューションで、お客様の課題解決を目指すSBフレームワークスのマーケティング担当。テクニカルソリューション分野での実務経験を活かして、弊社のサービスや、業界の話題などを解説いたします。物流技術管理士補。

荷主(にぬし)とは、貨物の運送を依頼する立場にある事業者です。近年、荷主に求められる法的責任が強化され、物流会社とともに物流業務における責任を担う立場にあります。

本記事では、荷主の定義や責任、求められる取り組みを解説します。

輸配送に関する課題を抱えている場合は、SBフレームワークスにご相談ください。ソフトバンクグループの物流を30年以上支えてきたノウハウを踏まえ、課題改善に向けたご提案をいたします。

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荷主とは?わかりやすく解説

荷主とは、貨物の輸送や保管を物流会社に依頼する立場にある事業者です。メーカーや卸売業者、EC事業者など商品を出荷または受領する企業が荷主に該当します。

荷主は、貨物の配送を依頼するだけの存在ではなく、貨物の種類や数量、納期など、物流業務の前提を決定する立場です。そのため、法令に則した適正な取引や、物流効率化に向けた取り組みが求められる立場にあります。

荷主の定義

「荷主」は、実務上の呼び方と、法令上の定義(対象・義務の範囲)で意味が異なるため、目的別に整理して理解することが重要です。以下の観点で、それぞれの内容を解説します。

  • 実務上の定義
  • 物流効率化法における定義
  • 省エネ法における定義

実務上の定義

実務上、荷主は以下のような区分で呼ばれます。

  • 発荷主:貨物を発送する事業者
  • 着荷主:貨物を受領する事業者

発送または受領に関与し、物流条件に影響を与える事業者を総称して「荷主」と呼ぶのが一般的です。区分を用いることで荷物の出荷側と受領側を整理し、実務上のやり取りを明確にしています。

なお、発荷主・着荷主という呼び分けは実務上の整理であり、法的責任が決定されるわけではありません。責任の有無や範囲は、契約内容や実際の関与の程度、適用される法令などを踏まえて判断されます。

物流効率化法における定義

物流効率化法では、運送契約の当事者かどうかを基準に、荷主を「第一種荷主」と「第二種荷主」に分類しています(※1)。第一種荷主と第二種荷主を区分することで、物流効率化に向けた取り組みの役割分担を明確にしています。

区分判断基準求められる対応
第一種荷主自社で運送会社と運送委託契約を結んでいる事業者物流効率化において、出荷量や納品条件など、輸送条件に関わる措置を講じる
第二種荷主運送委託契約者以外で、現場で荷物の受け渡しに関与している事業者物流効率化において、荷受け体制や受け渡し方法など、現場運用に関わる措置を講じる
第一種荷主(主に発荷主)、第二種荷主(主に着荷主)とは

画像引用:国土交通省「第一種荷主(主に発荷主)、第二種荷主(主に着荷主)とは

2026年4月以降は、前年度の取扱貨物の重量が9万トン以上の場合、それぞれ「特定第一種荷主」または「特定第二種荷主」に指定されます(※2)。

自社が該当する区分を判断する際は、運送会社と直接契約しているか、年間の取扱貨物重量が基準を超えているかを確認しましょう。

※1 参考:国土交通省「第一種荷主(主に発荷主)、第二種荷主(主に着荷主)とは
※2 参考:経済産業省「物流効率化法について

省エネ法における定義

省エネ法(エネルギーの使用の合理化に関する法律)では、貨物の所有権にかかわらず契約などにより「輸送方法を実質的に決定する立場にある事業者」を荷主として定義しています(※1)。

さらに、輸送条件への関与の実態に応じて、エネルギー使用合理化に取り組む主体を整理するために、「一号荷主」と「二号荷主」に区分しています。

区分判断基準求められる対応
一号荷主運送会社に対して貨物の輸送を継続して行わせる立場にあり、輸送方法などについて実質的に関与している輸送条件全体に関与する主体として、エネルギー使用の合理化や輸送効率の向上に主体的に取り組む
二号荷主他事業者との契約や取り決めにより、輸送方法などを実質的に決定している自らの指示が輸送効率やエネルギー消費に影響することを踏まえ、条件の見直しや調整などを行う

▼一号荷主

一号荷主

画像引用:経済産業省 資源エネルギー庁「省エネポータルサイト

▼二号荷主

二号荷主

画像引用:経済産業省 資源エネルギー庁「省エネポータルサイト

荷主には該当しないものの、継続して貨物の受け取りや引き渡しの日時などを指示できる事業者は「準荷主」として位置づけられています。また、前年度の年間輸送量が3,000万トンキロ以上となる場合は「特定荷主」に該当します(※2)。

自社で輸送ルートや納品頻度を決定し、特定の運送会社に継続的に輸送を行わせている場合は、一号荷主の扱いです。一方、仕入れ先や納品先との契約にもとづいて輸送条件を決定している場合は、二号荷主に該当します。

自社が該当する区分は、輸送方法や納品条件に対してどの程度実質的に関与しているかという観点で判断します。

※1 参考:経済産業省「荷主とは
※2 参考:経済産業省「特定荷主の義務内容

近年の物流において荷主が直面している課題

物流において荷主が直面している課題として、以下の3つが挙げられます。

  • 輸送リソースの確保が困難
  • 物流費の継続的な上昇
  • 荷主に対する法的責任の強化

それぞれの内容について解説します。

輸送リソースの確保が困難

荷主は近年、必要な時期や時間帯に十分な輸送リソースを確保しにくい状況に直面しています。ドライバー不足と時間外労働の規制の強化により、輸送力の総量が減少しているからです。

特に、繁忙期や車両手配が集中する特定の時間帯においては、従来通りのリードタイムや細かい時間指定などの条件を前提としたままでは、輸送が維持しにくくなります。

物流を維持するためには、積載効率の向上や荷待ち時間の削減などが必要です。荷主には納品条件や出荷条件を見直し、限られたドライバー数と労働時間の範囲内で輸送を成立させられる業務設計が求められます。

物流費の継続的な上昇

物流費が上昇し続けていることも、荷主が直面している課題の一つです。燃料費の高騰に加え、労働力不足を背景とした人件費の上昇が運賃や保管料を押し上げているからです。

これまで運賃に内包されていた以下のような付帯作業や待機時間が、個別費用として整理される動きが広がっています

  • 積み込みや仕分けなどの荷役作業費
  • 荷待ち時間に対する待機料
  • 時間外や深夜、休日対応に伴う割増料金

このような費用を、単価交渉だけで抑え込もうとすると取引の継続が難しくなる場合があります。そのため、リードタイムの緩和や付帯作業の標準化など、運用の見直しを通じて費用構造の適正化を図ることが求められます。

荷主に対する法的責任の強化

荷主は、物流の非効率や環境負荷の低減に関して、従来よりも明確な責任を負う立場へと移行しています。物流の停滞や環境問題は、運送会社だけの努力では解決が困難であり、輸送条件を実質的に決定する荷主にも改善責任を求める必要があると、関係法令において明確化されたからです。

特に、一定規模以上の貨物を取り扱う事業者については、物流効率化法や省エネ法にもとづき、追加対応が求められます

法律物流効率化法(※1)エネルギーの使用の合理化に関する法律(※2)
対象区分・特定第一種荷主・特定第二種荷主・特定荷主
求められる対応・物流統括管理官(CLO)の選任
・物流効率化に関する中長期計画の策定・年1回の定期報告
・貨物の輸送量届出書の提出・エネルギー使用合理化に関する中長期計画の提出・エネルギー使用量の定期報告
未対応時のリスク・国による指導、是正勧告・正当な理由なく従わない場合は事業者名の公表・命令違反や虚偽報告があった場合に限り罰則あり

省エネ法で求められている取り組みは、原則として努力義務とされています。ただし、特定荷主に指定された場合は、上記の対応が法的義務となります。自社が該当する区分を把握したうえで、必要となる計画作成や定期報告への対応を進めることが重要です。

※1 参考:経済産業省「物流効率化法について
※2 参考:経済産業省「特定荷主の義務内容

荷主に管理上の責任が発生するケース

荷主に管理上の責任が発生するケースとして、以下の4つが挙げられます。

  • 恒常的な荷待ち時間が発生した場合
  • 非合理な到着時刻を設定した場合
  • やむを得ない遅延に対するペナルティを要求した場合
  • 法令違反につながる依頼をした場合

それぞれの内容を解説します。

恒常的な荷待ち時間が発生した場合

荷主側の設備や体制の不備により、荷待ち時間が常態化している場合、荷主に管理責任が問われる可能性があります。荷待ち時間が恒常的に発生するとドライバーの拘束時間が長くなり、労働時間規制などの法令遵守に支障をきたす要因となるからです。

たとえば、出荷計画に対してトラックの受け入れ能力が不足している場合や、先行車両の作業遅延を考慮しない配車計画を組んだ場合などが該当します。運送会社からの改善要望を放置し荷待ちが継続している場合、荷主の管理不備と判断され行政指導の対象となります

このような状況を改善するには、バース予約システムの導入や荷役工程の見直しなどにより、荷待ちを発生させない仕組みづくりが不可欠です。

非合理な到着時刻を設定した場合

現場の実態を考慮していない非合理な到着時刻の指定は、荷主による不適切な条件設定とみなされ、管理責任が問われます。過度に厳しい時間指定は、速度超過や不要な待機時間を招き、法令遵守や安全運行に悪影響をおよぼすからです。

たとえば、開門前からの待機を前提とした時間指定や、特定の30分間のみ納品可能といった極端に狭い時間枠の設定などが該当します。

納品時間帯を「9〜11時」のように幅をもたせて設定するなど、現場の処理能力や運行実態に合わせた条件設定を行うことで、荷待ちの削減や安全運行の確保につながります。

やむを得ない遅延に対するペナルティを要求した場合

悪天候や事故など不可抗力による遅延に対して一律にペナルティを課す行為は、荷主の管理責任を問われます。運送会社が管理できない要因まで荷主が一方的に負担させる行為は、不公正な取引条件とみなされるからです。

遅延理由の確認や協議を行わず、契約条項のみを根拠に違約金の適用や受領拒否を行う運用は、行政指導につながる要因となります。

遅延発生時の免責条件や連絡フローを荷主と運送会社間であらかじめ合意・文書化し、相互理解にもとづく運用体制を構築することが求められます。

法令違反につながる依頼をした場合

重量超過など法令違反につながる指示を行った場合、運送会社だけでなく指示を出した荷主も処罰対象となる可能性があります。過積載は道路交通法に違反する行為であり、荷主の指示や依頼が原因と判断される場合があるからです(※)。

たとえば、「1回で運びきってほしい」などの依頼であっても、結果として重量超過を招く恐れがあります。事前に正確な重量・容積情報を運送会社へ共有し、法令遵守を前提として依頼することがリスク回避につながります。

また、荷主は重量情報に応じた納品スケジュールや、車両台数の増加を考慮して依頼することも重要です。

※ 参考:デジタル庁「道路交通法

近年の物流業界で荷主に求められる取り組み

物流業界におけるさまざまな課題に対応するために、荷主に対して以下の取り組みが求められています。

  • 物流における業務設計を見直す
  • 運送会社と協力体制を強化する
  • DXを活用して管理体制を構築する

それぞれの内容について解説します。

物流における業務設計を見直す

物流の課題に対応するためには、荷主自身が納品条件や出荷フローなどの業務設計を見直すことが不可欠です。荷待ち時間の常態化や積載効率の低下は、現場の問題だけでなく、荷主が設定している納品条件や運用ルールが要因となっている場合もあるからです。

たとえば、手積みを前提とした出荷方法や、当日受注・当日出荷などの過剰なサービスは、現場負荷や待機時間の増加を招きやすいため、見直す必要があります。現場の慣習を前提にせず、出荷条件や荷役方法、業務フローを整理し、負荷を最小限に抑える業務設計へ再構築することが重要です。

運送会社と協力体制を強化する

安定した物流体制を構築するためには、運送会社を単なる委託先として扱うのではなく、継続的な輸送をともに支えるパートナーとして協力関係を強化することが重要です。荷主と運送会社の間で、輸送条件や現場の制約について十分なすり合わせが行われない場合、一方的な負担が生じやすく、結果として輸送体制の維持が困難になるからです。

たとえば、運送会社から運賃改定や業務改善の提案があった際には、納品条件や運用ルールの見直しも含めて協議することで、実務に即した継続可能な輸送条件を整えやすくなります。

定期的な情報共有や協議の場を設け、輸送条件を共同で見直していく体制を構築することが重要です。

DXを活用して管理体制を構築する

物流の課題に対応するためには、DX(デジタルトランスフォーメーション)を活用して、積載率や荷待ち時間などのデータにもとづいた定量的な管理体制を構築することが重要です。

DXを活用すれば、荷待ち時間やバース滞留などを数値で可視化でき、原因分析から改善のサイクルを回しやすくなります。具体的な取り組みとして、以下などが挙げられます。

  • バース予約システムを導入し、トラックの到着時刻と荷待ち時間を可視化する
  • WMS(倉庫管理システム)と運送データを連携させ、出荷準備や配車計画を最適化する

DXを活用して現場の状況を適切に把握し、継続的な物流改善につながる管理体制を構築しましょう。

荷主の定義と責任を正しく理解し、持続可能な物流体制を構築しよう

荷主は輸送条件や運用ルールに関与し、物流体制に影響を与える立場にあります。そのため、自社が荷主としてどの区分に該当し、どのような対応が求められるのかを把握しておくことが重要です。

自社の関与範囲を把握することで、見直すべき輸送条件や運用上の課題が明確になり、実務に即した物流体制の改善につながります。荷主の定義や管理上の責任、求められる取り組みを理解し、持続可能な物流体制を構築しましょう。

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