法人用PCのデータ消去方法は?処分時に実施しないとどうなるかも解説

監修者プロフィール

SBフレームワークス マーケティング/広報
玉橋 丈児
物流×輸配送×テクニカルソリューションで、お客様の課題解決を目指すSBフレームワークスのマーケティング担当。テクニカルソリューション分野での実務経験を活かして、弊社のサービスや、業界の話題などを解説いたします。物流技術管理士補。
自社のPCを処分する際、顧客の個人情報や自社の機密情報などを漏えいさせないよう、データ消去を確実に実施しなければなりません。
しかし、データを確実に消去するために、どのような方法を選択すればよいのかわからない企業担当者の方もいるのではないでしょうか。
本記事では、法人用PCのデータ消去方法や、データ消去を実施せずに処分するリスクを解説します。
PCのデータ消去でお悩みの場合は、SBフレームワークスにご相談ください。弊社では、第三者機関「データ適正消去実行証明協議会(ADEC)」による「消去プロセス認証★★★(三つ星)」を取得しています。適切な設備や手法による確実なデータ消去をお約束します。
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目次
法人用PCの処分時にデータ消去しないとどうなる?

適切にデータ消去を行わなかった法人用PCが悪意のある第三者にわたった場合、情報漏えいのリスクがあります。
法人用PCには顧客や取引先の情報、企業独自のノウハウなどの機密性が高い情報が多く保存されていることが一般的です。
不十分なデータ消去が原因で情報漏えいしたことが発覚すれば、企業の社会的信用の失墜を招いたり、損害賠償責任を負ったりする可能性があります。
データ消去の方法次第では、元のデータを復元されてしまう可能性もあるため、確実な方法でデータを消去しなければなりません。
法人用PCのデータ消去方法

法人用PCのデータを消去する方法には、以下などが挙げられます。
- データ消去ソフトを利用する
- 物理的に破壊する
- 磁気破壊装置を使用する
それぞれの方法について解説します。
データ消去ソフトを利用する
データを消去する方法の一つとして、データ消去ソフトの利用が挙げられます。データ消去ソフトは、読み取っても意味のないランダムなデータを上書きすることで、元あったデータを読み取れなくする仕組みです。
データ消去ソフトを使用すればパソコンを分解する必要がなく、手軽にデータ消去ができます。官公庁で採用されている方式のデータ消去ソフトもあり、安全かつ効率的にデータ消去が可能です。
物理的に破壊する
データが入っているハードディスクやSSDにドリルで穴を空けるなど、物理的に破壊することでデータの読み取りを不可能にする方法もあります。
物理的な破壊は、自社で徹底的にデータを消去したい場合や、故障等で起動できないPCのデータ消去に向いています。ただし、通常の工具でハードディスクを取り出すことや、パーツレベルまで分解・破砕することは容易ではありません。
たとえハードディスクを分解したとしても、データを記録しているプラッタと呼ばれるパーツから情報を取り出す技術が存在します。そのため、機密性が高い情報の漏えいを防止するためには、各パーツを細かく粉砕しなければなりません。
また、破壊したパーツは産業廃棄物として処理しなければならないため、物理的に破壊する際は、データ消去から廃棄まで実施している業者に依頼するとよいでしょう。
磁気破壊装置を使用する
ハードディスクにおいては、磁気破壊装置を使用してデータ消去が可能です。磁気破壊装置とは、ハードディスクに強力な磁気を与えてデータを消去する装置です。
ハードディスクは磁気で信号を読み書きしているため、専用の装置に入れて消磁することでデータを消去できます。パソコンやハードディスクが故障している場合でも、データ消去が可能です。
ただし、SSDなどのフラッシュメモリにおいては、信号の読み書きに磁気を使用していないため、この方法ではデータ消去できません。データ消去ソフトや物理破壊によりデータ消去する必要があります。
また、磁気破壊装置は高価であるため、専門業者に依頼してデータ消去してもらうことが一般的です。
法人用PCのデータ消去をする際の注意点

法人用PCのデータ消去をする際には、以下の点に注意しましょう。
- 「ごみ箱を空にする」では完全にデータが消えない
- PCの初期化では確実にデータ消去できない
- データ消去後のPCの廃棄は業者へ依頼する
それぞれの注意点について解説します。
「ごみ箱を空にする」では完全にデータが消えない
ファイルをPCのごみ箱に入れ、「ごみ箱を空にする」を実行しても、完全にデータ消去はできません。見かけ上はデータが見当たらなくなりますが、記録媒体にはデータが残っています。そのため、OSの操作で復元できなくても、データ復元ソフトで復元が可能です。
完全にデータを消したい場合はデータ消去ソフトや専門業者を利用し、根本からのデータ消去を実施しなければなりません。
PCの初期化では確実にデータ消去できない
PCを初期化するだけでは、適切なデータ消去が行えたとはいえません。初期化により購入時の状態(工場出荷状態)に戻せますが、初期化では最低限のデータの上書きのみしか行われないからです。
初期化によるデータの上書きが不十分な場合、専用のツールを用いることで一部のデータが容易に復元できてしまいます。そのため、記録媒体の物理破壊やデータ消去ソフトにより、完全に復元できないようにする必要があります。
データ消去後のPCの廃棄は業者へ依頼する
廃棄物処理法にもとづき、事業者は不要になった法人用PCを「産業廃棄物」として処理しなければなりません。適切に処理するためには、産業廃棄物処理業者やPCメーカーなどへ依頼する必要があります。
PCの廃棄を依頼した業者が不法投棄したり、預けたPCから機密情報が漏れたりした場合は、廃棄を依頼した事業者も廃棄物処理法の措置命令を受ける可能性があります。
信頼できる業者であるかを見極めるには、産業廃棄物処分業許可証が行政から公布されているかを確認することが大切です。
法人用PCの廃棄方法については、以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてください。
参考:環境省「排出事業者責任の徹底について」
自社でPCのデータ消去を行う際のソフトの選び方

PCのデータ消去ソフトを選ぶ際には、以下の点を確認しましょう。
- 採用している消去方式
- 消去できる対応台数
- データ消去実行証明書の出力
それぞれの内容について解説します。
採用している消去方式
法人用PCのデータを消去するには、以下の方式を搭載したデータ消去ソフトを使用するとよいでしょう。
方式 | 詳細 |
米国国防総省準拠方式 (DoD5220.22-M) | ・3回上書きして消去 ・書き込み検証を実施・官公庁で採用されている |
米国海軍方式 (NAVSO P-5239-26-MFM) | ・3回上書きして消去・書き込み検証を実施 |
米国海軍方式 (NAVSO P-5239-26-RLL) | ・3回上書きして消去・書き込み検証を実施 |
旧NSA方式 (Bit Toggle) | ・4回上書きして消去 |
ドイツ標準方式 (VSITR) | ・4回上書きして消去 |
グートマン推奨方式 | ・35回上書きを実施して消去 |
上記の方式でデータ消去した場合、専用ソフトでの復元が難しく、残留磁気からもデータを読み取れないため、法人用PCへの使用に向いています。
上書き回数が多いほど復元されるリスクは低くなりますが、回数に比例して多くの時間を要するため、作業の際には人員・スペースなどを十分に確保する必要があります。
消去できる対応台数
法人用PCのデータ消去ソフトを選ぶ際は、対応台数に制限がないかの確認が必要です。データ消去したいPCが大量である場合、対応台数が無制限のプランを利用するとよいでしょう。
ただし、台数無制限プランのなかには「所在地が同一の事業所の場合に限り対応台数無制限」など、条件付きの場合もあります。事前によく確認しておきましょう。
データ消去証明書の出力
データ消去のログや証明書の発行が必要な場合は、データ消去証明書(データ消去実行証明書)を出力できるデータ消去ソフトを選択しましょう。
ログは、データを消去した日時や方式などが記録されるものです。ADECの認証がなくても、データ消去ソフトにログ出力機能があれば出力できます。ログの粒度はデータ消去ソフトによって異なるため、必要な項目があるか確認が必要です。
一方、データ消去証明書の発行を行うことのできるソフトも存在しますが、その粒度はまちまちです。ADECから消去技術認証を受けたソフトであれば、以下のような項目を満たした証明書を発行でき、より確実性と客観性が高いと言えます。
データ適正消去実行証明協議会(ADEC)のガイドブックによると、データ消去証明書は以下の内容が明記されていることが必要とされています(※1)。
- 抹消実行事業者名
- ソフトウェア名
- 実行日時
- 抹消方法
- HPA、DCOや再割り当て済みセクタ
- リカバリ領域/区画に関する情報を含む抹消作業の結果
- 残留するリスク等の特記事項
PCのデータが確実に消去された記録を保管したい場合は、データ消去証明書を出力できるものを選びましょう。
※1参考:データ適正消去実行証明協議会「データ消去技術 ガイドブック 第2.4版」
法人用PCのデータ消去にはLCMサービスの利用もおすすめ

法人用PCのデータを消去したいときは、LCM(ライフサイクルマネジメント)サービスの利用も一つの選択肢です。
LCMサービスとは、IT資産の調達や導入、運用、廃棄を一貫して代行するサービスです。廃棄のプロセスではデータ消去も行うため、作業に伴う自社の人的リソースや作業スペースを考慮せずに済みます。また、廃棄に伴って新たなPCを調達したい場合も、一貫して依頼が可能です。
業者を選ぶ際は、実績やADECによる消去プロセス認証を取得しているか確認するとよいでしょう。ADECは、データ消去が適正に実施されているかを評価する第三者機関であり、行政と共同でデータ抹消についての世界標準に則った検証実験を実施しています。
SBフレームワークスのLCMサービスは、ADECの消去プロセス認証を受けており、ADECに認定されたツールを使用したデータ消去を行っています。その他にも機器の廃棄や売却の提案も可能です。データ消去に関してお悩みの場合は、お気軽にご相談ください。
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法人用PCのデータ消去を確実に実施し情報漏えいを防止しよう

法人用PCのデータを消去する際は、データを復元できないよう確実な方法で行わなければなりません。データ消去方法には、データ消去ソフトや磁気破壊装置の利用、物理破壊があります。
適切にデータ消去を実施していない場合、顧客の個人情報や社外秘の情報などが漏えいし、企業の信頼が失墜する恐れがあります。PCのデータ消去を確実に実施し、情報漏えいを防ぎましょう。
法人用PCのデータ消去が必要な場合は、SBフレームワークスにご相談ください。弊社では、確実なデータ消去を証明する「データ消去証明書」の発行にも対応しています。まずはお気軽にお問い合わせください。
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法人用PCのリプレース時など台数が多い場合、物理破壊やデータ消去ソフトを利用しての作業は、情シスや総務部門単独で行ことが非現実的な作業量となります。
データ消去証明書の発行も行っている専門業者に委託するのが好ましいでしょう。