物流アウトソーシングとは?外注・委託するメリットや成功事例を紹介

監修者プロフィール

SBフレームワークス マーケティング/広報
玉橋 丈児
物流×輸配送×テクニカルソリューションで、お客様の課題解決を目指すSBフレームワークスのマーケティング担当。テクニカルソリューション分野での実務経験を活かして、弊社のサービスや、業界の話題などを解説いたします。物流技術管理士補。
物流アウトソーシングとは、物流におけるさまざまな業務を代行するサービスです。物流をアウトソーシングすると、作業品質の向上やコスト削減が期待できます。
また、自社の物流業務の負担を減らせるため、コア業務に専念したい、業務の効率化を図りたいなどの課題がある場合には、物流アウトソーシングサービスの利用がおすすめです。
本記事では、物流アウトソーシングサービスのメリットや委託先の選び方、委託する際の流れについて詳しく解説します。
物流に関する悩みがある場合には、ぜひSBフレームワークスにご相談ください。お客様ご自身からは見えない部分の課題まで洗い出し、改善策を提案させていただきます。
\年間400万箱超の出荷実績にもとづく物流設計/
目次
物流アウトソーシング(3PL)とは

物流アウトソーシング(3PL=サードパーティ・ロジスティクス)とは、物流業者が一連の物流業務を企業に代わって遂行するサービスです。物流管理システムを利用した物流運用の効率化から、在庫管理、入出荷、配送に至るまで物流に関わる一連の業務を代行します。
近年では、決済処理やCS対応などの業務も代行する業者が増えています。複数のECサイトの受注を取りまとめて管理ができるOMS(Order Management System)との連携機能をもつなど、EC物流を得意とする業者も存在します。
ネット通販が盛んになっている昨今では、ECサイトへの出店者や、物流業務を効率よく行いたい企業にとって不可欠なサービスといえるでしょう。
自社物流と物流アウトソーシングの違いを比較

物流体制を見直す際には、自社物流と物流アウトソーシングそれぞれの特徴を理解しておくことが重要です。自社物流と物流アウトソーシングの主な違いは、以下のとおりです。
自社物流 | 物流アウトソーシング | |
管理範囲 | 受注から出荷、返品対応まですべて自社で管理する | 業務を物流業者に委託し、管理の負担を軽減できる |
設備投資 | 倉庫やトラックなどの設備を自社で用意する必要がある | 物流会社の施設やシステムを活用できるため設備投資が不要 |
人件費 | 在庫管理・入出荷作業などに関わる人件費が固定費として発生する 増員のための採用コストがかかる | 在庫管理・入出荷作業などに関わる人件費を、業務量や物量に応じて変動費化できる |
業務負担 | 物流業務に多大なリソースが必要になる | プロに委託することで自社のコア業務に専念できる |
物流波動への対応 | 繁忙期・閑散期に応じて自社で人員を調整する必要がある | 物流業者が人員調整を行う |
品質 | 自社の知見や経験に依存する | 物流のプロによるサービスを受けられる |
それぞれに強みと課題があるため、自社の事業規模や目指す物流品質、リソース状況などを踏まえて十分に検討しましょう。
物流アウトソーシングの対応内容

物流アウトソーシングでは、以下のような作業に対応しています。
- 入荷・検品
- 在庫管理・棚卸
- 帳票発行
- ピッキング・流通加工
- 梱包・出荷
- 返品処理
入荷・検品
商品が到着すると専門のスタッフが迅速に受け取り、種類や数量を正確に確認します。その後、商品に破損や汚れ、傷がないかなどの検品が行われます。
物流業務を委託することで、専門スタッフが細部まで丁寧に検品するため、誤送や不良品の混入を防ぐことが可能です。商品に不備がある場合は、荷主や入荷元に連絡を行います。
在庫管理・棚卸
物流管理システムを活用し、商品の登録や管理を正確に行います。出荷頻度や保管効率を考慮した在庫管理が行われるため、在庫保管スペースの適正化や庫内作業の効率化が可能です。
棚卸業務は契約内容に応じて6ヶ月や1年ごとに行われ、倉庫内にある実際の在庫と帳簿上の在庫を照合して在庫数を確認します。定期的に棚卸を行い在庫の誤差を最小限に抑えることで、生産や販売の場面でのトラブルを防げます。
帳票発行
物流アウトソーシングでは、帳票の作成や管理などの業務も代行します。具体的には、以下のような帳票の作成を依頼できます。
- 入荷伝票
- 出荷伝票
- ピッキングリスト
- 送り状
- 納品書
また、専門の機器やシステムを用いた帳票の自動発行が可能です。ECサイトの注文データをもとに、ピッキングリストや送り状が自動発行されるため、注文の取り違えを防げます。
自動化することで帳票の正確性が向上し、出荷作業をスムーズに行えます。
ピッキング・流通加工
注文データにもとづき必要な商品を正確にピッキングして、出荷の準備をします。流通加工では、ギフトラッピングや値札付け、ラベル貼り、2種類以上の商品を組み合わせるセット組み作業などを行います。
梱包・出荷
出荷前には、商品が正しく揃っているか、数量に間違いがないかを確認する検品作業が行われます。
その後、商品が配送中に破損しないように緩衝材などを使用して適切に梱包します。この際、梱包材の使い方や送り状の添付位置などの細かい指定も可能です。
また、梱包材などの資材の調達も依頼できる場合があり、コスト削減につながることもあります。
梱包された商品は、物流業者が提携する宅配事業者などに引き渡され、指定の場所に配送されます。さらに、配送会社の指定や、BtoB向けのチャーター便の手配などを依頼できる場合もあります。
返品処理
物流アウトソーシングでは、返金処理や商品の交換にも対応しています。顧客からの返品商品が到着した際には、事前に取り決めた判断基準に従って物流業者が状態を確認し、委託元企業にレポートすることで、再販や廃棄などの判断に役立てられます。
さらに、必要に応じて返品商品を販売可能な状態を良品に戻す良品再生作業業を行い、アウトレット品として商品登録することも可能です。
物流アウトソーシングのメリット

物流業務をアウトソーシングするメリットには、主に以下の3つが挙げられます。
- コア業務に集中できる
- コストを削減できる
- 作業品質を向上できる
それぞれの内容を詳しく説明します。
コア業務に集中できる
物流業務を専門の業者にアウトソーシングすれば、自社のコア業務に集中できるようになります。
物流業務は手間と時間を要するため、自社ですべての作業を行うとコア業務に十分なリソースを割くことが難しくなる場合もあります。また、物流業務は専門的な知識や経験を必要とする場合があり、人材の採用や教育にも多くの時間と費用が必要です。
物流業務をアウトソーシングすれば、リソースが確保できるようになるため、商品開発やマーケティングなどに注力でき、事業の拡大や売り上げ向上が期待できます。
コストを抑制できる
物流業務をアウトソーシングすると毎月のコストを変動化できるため、コストを抑制できます。
物流アウトソーシングでは、物量や作業量に応じてコストが変動します。そのため、自社で固定の人員や設備を維持する必要がありません。
さらに、販売商品1点あたりの物流コストや長期滞留在庫の保管コストなど、自社の事業活動にかかる費用を可視化して、収支の把握や改善に役立てられます。
出荷の際には、物流会社のネットワークや物量を活かして、専用のチャーター車両を手配したり、割安な宅配運賃で配送できたりする場合もあります。効率的な輸送ルートの提案も期待できるため、結果的にコストの削減になることも少なくありません。
作業品質を向上できる
物流作業をプロの業者に委託することで、作業品質を向上できます。
物流代行サービス業者の多くは、商品バーコードによる在庫管理や入出荷業務が可能なシステムを導入しています。そのため、在庫数やロットの管理など物流全般の業務を正確かつ効率的に行うことが可能です。
さらに、時期や需要の変動によって物量に差がある場合でも、物流アウトソーシングを利用すれば安定したサービスを受けられます。
繁忙期に自社ですべての物流業務に対応しようとすると作業負担が増加し、出荷や在庫管理面でミスが発生することもあります。物流アウトソーシングを利用してミスを抑制できれば、顧客の信頼を高めることが可能です。
物流アウトソーシングの導入時に注意すべき点

物流アウトソーシングでは、外部委託ならではのリスクや課題も存在します。スムーズな運用を実現するためにも、以下の注意すべきポイントを押さえておきましょう。
- 定期的な情報共有体制・緊急時の連絡ルールを整備する必要がある
- トラブル時の責任範囲を明確にしておかないと新たなトラブルにつながる
- 物流業務の経験やノウハウが自社に蓄積されにくい
それぞれの内容を解説します。
定期的な情報共有体制・緊急時の連絡ルールを整備する必要がある
物流業務をアウトソーシングする際は、情報共有体制と緊急時の連絡ルールの整備が不可欠です。
アウトソーシングすることで、直接的に物流作業の現場と向き合う機会が減るため、管理体制が不十分だと情報の行き違いや業務の遅延が起こりやすくなります。
そのため、在庫や配送の進捗をリアルタイムで把握できる物流管理システムの導入や、定期的なミーティングの実施、報告フローの整備が必要です。
また、災害や台風接近などの緊急時に備えて、連絡方法や担当者の連絡先などを事前に共有し、物流業務の停滞を防ぐことも欠かせません。
トラブル時の責任範囲を明確にしておかないと新たなトラブルにつながる
物流アウトソーシングを導入する際は、トラブル発生時の責任範囲を明確にしておくことが重要です。責任の所在が曖昧なままだと対応が遅れ、顧客や取引先からの信頼低下につながる恐れがあるからです。
たとえば、商品の外装が破損した際、輸送段階で発生したものか、倉庫内の作業によるものかを切り分ける必要があります。入庫時の検品ルールや報告基準を事前に取り決めておくことで、トラブルに迅速に対応できます。
また、物流代行会社が業務を下請けに再委託している場合もあるため、契約時に責任範囲や対応フローを文書で明確にしておくことが欠かせません。
物流業務の経験やノウハウが自社に蓄積されにくい
物流をアウトソーシングすると、物流に関する経験やノウハウが自社に蓄積されにくいといえます。
たしかに、専門業者に物流業務を任せたほうが効率的です。しかし、将来的に物流業務を内製化する場合には、知識や実務経験の不足が壁になる可能性があります。
そのため、自社の生産・販売計画と物流の動きを照らし合わせ、定期的に物流業者と情報を共有し、業務理解を深めておくことが大切です。外注しながらも知見を得られる体制を整えることで、将来の選択肢を広げられます。
物流業務の委託先選びのポイント

物流業務をアウトソーシングする際には、以下のポイントを確認しましょう。
- 委託したい業務に対応しているか
- コストが予算内に収まるか
- サポート体制が整っているか
- 実績はあるか
まずは、委託先が要望する業務に対応できるか確認しましょう。具体的には、商品のジャンルや想定物量、倉庫の保管温度帯などが挙げられます。また、コストが予算内に収まるかも重視したいポイントです。
ただし、コストの安さだけで判断するのではなく、サービス内容や実績、サポート体制なども考慮したうえで、予算に見合う委託先を決めましょう。
さらに、業者の実績や信頼性の確認も欠かせません。ホームページに掲載されている実績や顧客レビューを参考にすることで、委託先の信頼性を確認できます。
物流業務を外注する際の流れ

物流アウトソーシングの導入は、以下のような流れで行います。
- 物流サービス代行会社に問い合わせる
- 打ち合わせをして見積をもらう
- サービス代行会社を決めて契約を締結する
それぞれの手順について解説します。
1.物流サービス代行会社に問い合わせる
業者によって取り扱うサービスが異なるため、複数の物流サービス代行会社に問い合わせましょう。
また、問い合わせをスムーズに進めるために、自社の物流課題や委託したい業務を事前にリストアップしておきましょう。
2.打ち合わせをして見積をもらう
打ち合わせでは、自社の要望や現状、依頼する物量、自社が抱えている課題などを詳しく伝えましょう。物流のプロからさまざまな提案が得られます。
打ち合わせが一通り終わったら提案書と見積書をもらい、予算内に収まるか確認しましょう。コスト面での認識の違いはトラブルにつながる可能性があるため、不明点があれば質問して解消しておくことが大切です。
3.サービス代行会社を決めて契約を締結する
提案内容やコスト面で問題がなければ、契約を締結します。契約書を委託先に作成してもらう場合は、自社にとって不利益となる要素がないか十分に確認しましょう。
契約が締結されたら、物流業務のアウトソーシングが開始となります。問い合わせから委託開始までに時間がかかる場合があるため、余裕をもってスケジュールを立てましょう。
物流業務の委託後は、要望通りに作業を進めているか委託先の動向を定期的に確認する必要があります。また、ミーティングや報告レポートを通じて成果を確認することも大切です。改善してほしい点がある場合は、委託先へ相談しましょう。
物流アウトソーシングの主な費用項目

物流アウトソーシングでは、業務内容や委託範囲に応じてさまざまな費用が発生します。主な費用項目は、以下のとおりです。
費用項目 | 内容 |
入荷作業費 | 入荷商品の検品や仕分け、棚入れなどにかかる費用 |
出荷作業費 | ピッキング、梱包、伝票貼付、出荷作業にかかる費用 |
保管費 | 商品を倉庫に保管するための費用 |
配送料 | 商品の配送にかかる費用 |
システム利用料 | 在庫管理システムや出荷指示システムの利用にかかる費用 |
管理固定費 | 専任担当者の配置や業務運営体制の維持管理にかかる固定費 |
棚卸費用 | 年に数回行われる棚卸作業に伴う人件費などの費用 |
オプション費用 | ラベル貼付、セット組、ギフト包装といった流通加工など、オプション作業にかかる費用 |
上記の費用項目は物流業務の性質やボリュームに応じて変動します。見積もりを依頼する際には、各項目が明確に記載されているか、想定される作業に対して過不足がないかを十分に確認しましょう。
物流アウトソーシングで成功した弊社のお客様事例

弊社の物流アウトソーシングを導入したお客様の成功事例を2つご紹介します。
物流作業の負担が軽減しコア業務への集中が可能に|株式会社TFN様
株式会社TFN様は、eコマース事業と電気通信事業を中心としたビジネスを展開している企業です。
以前は自社のリソースだけで物流を含むeコマース全般の業務を行っていましたが、業績が伸びるにつれて物量が増加し、自社での物流作業の負担増大が課題となっていました。
この課題を解決するために、商品の入荷から出荷までの一連の物流作業をアウトソーシングすることにしました。
業務を委託した結果、出荷業務などの物流作業から解放され、仕入れや販売戦略の策定などのコア業務に注力できるようになり、事業拡大を実現しています。
参考:SB Frameworks「物流を任せることで事業拡大に専念できました」
最適な輸送方法を取り入れたことで輸送品質向上・作業負担軽減に成功|株式会社リンクスインターナショナル様
株式会社リンクスインターナショナル様は、PCパーツやパソコン関連製品の代理店事業を展開している企業です。
以前は他の運送会社を利用して物流業務を行っていましたが、貨物事故や到着遅延が発生し、輸送品質上の課題を抱えていました。また、繁忙期や大口出荷時の車両追加手配や運賃調整なども負担となっていました。
これらの課題を解決するために実施したのが、輸送方法の見直しです。弊社では、取引先への定期的な納品は混載便、繁忙期などの追加車両手配はチャーター便の利用をご提案いたしました。
これらの輸送方法に切り替えたことで、貨物の破損や納品遅延が大幅に減少し、輸送品質の向上と作業負担の軽減を実現できました。
参考:SB Frameworks「輸送品質を大きく向上させることができました」
物流アウトソーシングを活用して自社の負担を削減しよう

物流アウトソーシングでは、入出荷作業や在庫管理など一連の物流業務をプロが代行します。
物流の全工程を自社で対応すると、コストの増加やコア業務に集中できないなどの問題が生じる場合があります。
しかし、物流業務をアウトソーシングすれば、作業の効率化やコスト削減が可能です。さらに、プロが業務を代行することで、ミスが抑制され商品を正確かつ迅速に顧客に配送できます。
物流業務のアウトソーシングを検討している場合は、SBフレームワークスにご相談ください。
入荷やピッキングなどの通常作業からギフトラッピングなどのオプション作業まで、お客様のご要望に応じた物流作業を代行いたします。まずはお気軽にお問い合わせください。
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監修者プロフィール

SBフレームワークス マーケティング/広報
玉橋 丈児
物流×輸配送×テクニカルソリューションで、お客様の課題解決を目指すSBフレームワークスのマーケティング担当。テクニカルソリューション分野での実務経験を活かして、弊社のサービスや、業界の話題などを解説いたします。物流技術管理士補。
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マーケティング/広報
玉橋 丈児
物流アウトソーシングを導入する際には以下の注意点をよく検討することが大切です。販売や生産のためには物流は欠かせない機能であり、物流が停滞しないことを第一に考えて委託範囲・内容を取り決めるとよいでしょう。